雇用保険の各種給付について

パート・派遣の育休給付金|入社1年未満OK、半育休の減額ラインと延長厳格化【2026年版】

投稿日:

「パートだから育休なんて無理だよね」「育休中に働いたら給付金全部なくなるんでしょ?」

そう思って、最初から諦めていませんか?

実は、2022年の法改正で状況は大きく変わっています。入社1年未満でも原則として育休が取れるようになり、パートや派遣の方でも育児休業給付金をもらえるケースがかなり増えました。

さらに、やり方を間違えなければ、育休中に少し働きながら給付金をもらう「半育休」も可能です。ただし、働きすぎると逆に損をする仕組みがあるので、知らないまま進めるのは危険です。

ここでは、「私は本当にもらえるの?」「いくらまで働いていいの?」「やらかしたらどうなるの?」という不安を、現場目線で丁寧に解説していきます。

この記事で分かること(結論)

  • パート・派遣でも雇用保険加入+要件を満たせば育休給付金の対象
  • 育休中の就業は「月10日・80時間以内」が目安、給与+給付が休業前賃金の80%を超えると減額
  • 2025年以降、延長申請には保育所申込の証明書類が必須(形式的な申込は通らない)

まずやること:就業規則(育休除外)と雇用保険加入をチェック → 次に「10日・80時間・80%」で働き方を設計

 

■目次

まず確認|あなたは育休給付金の対象?

2022年改正で「入社1年要件」は撤廃

以前は、「同じ会社で1年以上働いていないと育休は取れない」というルールがありました。でも、2022年4月の法改正でこの要件は撤廃されています。

2026年現在の基本ルールは、かなりシンプルです。

  • 雇用保険に加入していること
  • 子どもが1歳6か月になるまでに、明らかに契約満了が決まっていないこと

この2つを満たしていれば、入社して数か月でも原則OKです。

「うちはパートだから無理だよ」と会社に言われるケースも多いですが、単に人事が古い情報のまま止まっているだけということも珍しくありません。

パート・派遣が対象外になる例外ケース

ただし、次のようなケースでは対象外になる可能性があります。

  • 就業規則や労使協定で、短時間労働者を明確に除外している場合
  • 週の労働時間が極端に短く、そもそも雇用保険に未加入だった場合
  • 「◯年◯月で必ず契約終了」と最初から決まっている(更新見込みがない)場合

ここは自己判断せず、就業規則と雇用契約書の両方を必ず確認してください。

3分でできるセルフチェックリスト

  • □ 雇用保険に入っている
  • □ 契約が子ども1歳半前に終わる予定がない(更新見込みがある)
  • □ 就業規則・労使協定に「育休の適用除外」の記載がない
  • □ 会社が制度を知らないだけではなさそうか

ここで「よく分からない」が2つ以上あるなら、会社に言う前に、労働局の総合労働相談コーナー等で“確認だけ”先にしておくと話が早いです。外堀を埋めてから動くのが安全策です。

手続きの流れ|会社に何を言う?何を出す?(チェックリスト)

最初に会社へ伝える一言(角が立ちにくい言い方)

最初の一言は、対立になりにくい「相談型」が無難です。

例:「育休の申請に必要な書類と手続きの流れを教えてください。いつまでに何を出せばいいですか?」

もし「パートは無理」と言われても、感情で押さずに、「2022年の改正後は対象になるケースが多いと聞いたので、就業規則(労使協定)を確認したいです」と事実ベースで返すのがコツです。

提出前にそろえるもの(会社・自分の手元)

  • □ 雇用契約書(契約期間・更新の見込みが分かるもの)
  • □ 就業規則/育休規程(適用除外・申請期限の記載確認)
  • □ 労使協定(ある場合)※閲覧方法は会社に確認
  • □ 給与明細(直近数か月分)
  • □ 出勤実績が分かるもの(シフト表・タイムカード等)※半育休をするなら必須

半育休をする人は「月ごとの管理表」を最初に作る

半育休は、勢いで働くと損しやすい制度です。先に「枠」を作ってから入れるのが安全です。

管理の三本柱(これだけ覚えればOK)

  • 日数:月10日以内(目安)
  • 時間:月80時間以内(目安)
  • 金額:給与+給付が「休業前賃金の80%」を超えない範囲に収める

この「日数・時間・金額」を、同じ月の中で同時に見える形にしておくと、申告ミスやオーバーが激減します。

育休中に働いてもいい?「半育休」の仕組み

OKな働き方の上限ルール

育休中でも、一定の範囲内なら働くこと自体は可能です。育児休業給付金は「就業した日数・時間」によって扱いが変わります。

  • 目安:就業日数が10日以内
  • 目安:就業時間が80時間以内

注意点として、公式資料では「就業している日が10日を超えて、かつ就業している時間が80時間を超える」など、支給されないケースが示されています(出典:厚生労働省)。

実務では、日数や時間の数え方でズレが出やすいので、損しないためには「10日・80時間」を超えない設計にしておくのが安全です。

給付金が減らない「黄金ライン」

育休中の給付金は、「働いたら即ゼロ」ではありません。

ざっくり言うと、給与+給付金の合計が、休業前の賃金の80%を超えない範囲なら、給付金が減りにくい(または減額されない)という考え方です(出典:厚生労働省)。

80%ルール(超ざっくりの見取り図)

  • 合計(給与+給付) ≤ 休業前賃金×80% → 給付が減りにくい
  • 合計(給与+給付) > 休業前賃金×80% → 給付が減りやすい(調整が入る)

※実際は「就業した日数」「支払われた賃金」等で判定されるため、境目にいる場合は会社(申請担当)やハローワークで確認が必要です。

現場で迷う人が多いので、私は目安として、「育休前の月収の13%以内」に収めるのをおすすめしています。ここに収めれば、給付金が削られにくく、家計も読みやすいです。

月収20万円モデルのシミュレーション

たとえば、育休前の月収が20万円だった場合をイメージしてください。実際の支給額は賃金日額や支給日数で変わりますが、「働き方の考え方」は同じです。

  • ケース①:月2万円稼いだ場合
    → 給付金への影響は小さく、合計の手取りが増えやすい
  • ケース②:月4万円稼いだ場合
    → 給付金が少し削られて「思ったほど増えない」ゾーンに入りやすい
  • ケース③:月6万円稼いだ場合
    → 80%ライン超えで減額が大きくなり、場合によっては支給対象外になる月が出る

「頑張って働いたのに、合計がほとんど変わらない」ゾーンが存在します。半育休は、"稼ぎすぎない設計"が一番大事です。

やり方を間違えると損する3パターン

日数・時間オーバーで「その月が支給対象外」になり得る

一番多いミスがこれです。

  • 就業日数が想定より多くカウントされていた
  • 就業時間が積み上がって80時間を超えていた

支給単位期間(育休開始日からの1か月ごとの区切り)ごとに判定されるため、月末にまとめて入ったシフトで一気にオーバー…というケースもあります。

対策:「日数・時間」を、カレンダーとタイムシートで可視化して管理してください。

給与申告ミスで後日返還(または追加書類)になる

育児休業給付金は、支給単位期間ごとに「就業した日」「支払われた賃金」を申告します。

ここが曖昧だと、あとで整合が取れずに、追加書類の提出や返還の話になりやすいです。

対策:給与明細が出てから正確に申告する/「見込み」で出すなら後で必ず訂正する。これだけでトラブルは激減します。

副業を「黙っていれば大丈夫」と考える

「少額だし、申告しなくてもバレないでしょ」という判断は危険です。

雇用の記録や給与支払いの履歴は、後から整合チェックがかかります。結果として一番つらいのは、「本来もらえるはずの給付」が止まることです。

対策:迷ったら"先に申告して確認する"。これが結局いちばん得です。

2025年から要注意|育休延長が通らない人が増えている

「落選狙い」が通用しなくなった理由

育休の延長(最長2歳まで)は、保育所等に入れない場合に認められます。

ただ、2025年4月以降、延長手続きが厳格化され、「形式だけの申込(入りたい意思が薄い申込)」を弾く方向が強くなっています。

今は必須になった提出書類

延長の申請では、自治体へ申し込んだ事実を示す書類の提出が求められます。

  • 保育所等の利用申込書の写し
  • 自治体の選考結果(不承諾通知など)

自治体によって呼び方や追加書類が違うので、住んでいる市区町村の案内を必ず確認してください。

延長に失敗する人の典型パターン

  • 申込時期がギリギリで、必要な手順を踏めていない
  • 申込内容が現実と合っておらず、整合性でつまずく
  • 「入園意思が弱い」と判断される申込(希望園が極端など)

ここは精神論ではなく、準備不足が原因です。延長を見据えるなら、産前のうちから「いつ・何を出すか」をカレンダーに落とし込むのが安全です。

※関連記事:【2026最新】振込のタイミング(家計のつなぎ方)まで含めた全体像はこちら

まとめ|小さく動いて、大きく守る

パートだから、派遣だから、入社して間もないから――そんな理由で最初から諦める必要はありません。

2022年の法改正で門は広がっていますし、半育休も設計次第で家計の助けになります。

ただし、「知らないまま動く」と損をする仕組みがあるのも事実です。日数・時間の管理、給与の申告、延長のタイミング。どれも難しいことではありません。ただ、「後で確認すればいいや」が一番危ないだけです。

今日やる3つ(これだけで事故が減ります)

  1. 雇用保険に入っているか確認(給与明細・雇用契約書をチェック)
  2. 就業規則・育休規程で「適用除外」「申請期限」を確認
  3. 半育休するなら、今月の予定を「10日・80時間・80%」で仮置きしてみる

迷ったら動く前に確認する。それだけで、あなたが本来もらえるはずのお金を、ちゃんと受け取れます。

よくある質問(FAQ)

パート・派遣でも育児休業給付金はもらえますか?

原則として、雇用保険に加入していて支給要件を満たせば、パート・派遣でも受給できます。会社の説明が古い場合もあるため、就業規則・労使協定の有無を確認してください。

入社1年未満でも育休は取れますか?

2022年4月の改正で「入社1年未満」を理由に一律で育休を取れない扱いは原則なくなりました。例外として、労使協定で除外されている場合などは確認が必要です。

育休中に少し働いたら、給付金はどうなりますか?

働いたら即ゼロではありません。就業日数・時間、賃金額によって減額調整されます。給与+給付の合計が休業前賃金の80%を超えると減額される仕組みです(出典:厚生労働省)。

育児休業給付金はいくらもらえますか?

原則は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で、育休開始から181日目以降は50%に下がります(出典:厚生労働省)。個別の金額は賃金日額や支給日数で変わります。

半育休の上限は「月10日・80時間」って本当ですか?

目安として「就業日数10日・就業時間80時間」が基準として示されています。数え方や例外で扱いが変わることもあるため、超えそうな場合は事前に会社(申請担当)やハローワークに確認してください。

2025年以降、育休延長に必要な書類は何ですか?

保育所等の利用申込をしたことが分かる「申込書の写し」や、自治体の選考結果(不承諾通知など)の提出が求められます。自治体により追加書類があるため、住んでいる市区町村の案内を確認してください。

会社に育休を切り出すの、怖いんだけど…何て言えば角が立たない?

まずは「制度の確認をしたい」という相談型が無難です。たとえば「育休の申請に必要な書類や手順を教えてください」と聞くと、対立になりにくいです。もし「パートは無理」と言われても、感情で押さずに「2022年の改正後は取れるケースが多いと聞いたので、就業規則と労使協定を確認したいです」と事実ベースで返すのがコツです。

単発バイトとか在宅の短時間ワークも「就業」に入っちゃうの?

原則として、育休中に働いて賃金が発生するなら「就業」として扱われる可能性があります。日数・時間のカウントがズレやすいので、単発ほど給与明細・勤務実績を残し、申告で整合を取るのが安全です。

副業って会社にバレる?バレたらどうなるの?

「絶対バレない」とは言えません。給与支払いの履歴や手続き上の情報で後から整合チェックがかかることがあります。バレること自体よりも、申告ミスで給付が止まったり返還になったりするのが痛いので、迷ったら先に申告して確認するのが安全です。

給付金が減らないように半育休するコツってある?

コツは2つです。①日数・時間が「10日・80時間」を超えないように管理する、②給与+給付の合計が休業前賃金の80%を超えないように設計する、の2点です。自信がなければ「育休前月収の13%以内」を目安にすると、家計が読みやすいです。

旦那が自営業(フリーランス)だと、私の育休給付金どうなる?

あなたが雇用保険に加入していて要件を満たすなら、旦那さんの働き方に関係なく、あなたの育児休業給付金は基本的に別枠で判断されます。一方で、自営業側は現金給付がない代わりに2026年10月開始の国民年金保険料免除など、別の支援策があります。

※関連記事:自営業の育休手当はありませんが「国民年金免除」が使えます

育休中の社会保険料ってどうなるの?免除される?

会社員の場合、一定の要件を満たすと健康保険・厚生年金の保険料が免除になる仕組みがあります。免除の開始時期や申請の流れは会社の手続きが絡むため、早めに人事へ確認するのが安全です。

 

-雇用保険の各種給付について