雇用保険(失業保険)の手続き

雇用保険被保険者証とは?どこでもらえる?紛失時の再発行手続きと切り取り方を解説

更新日:

転職先から「雇用保険被保険者証を提出してください」と言われて、初めて存在を知った。会社からもらった記憶がない。どこを探しても見当たらない――。

退職時や転職時に必要になる雇用保険被保険者証ですが、「そもそも何のための書類なのか」「いつどこでもらえるのか」「手元にない場合はどうすればいいのか」と疑問を持つ方は少なくありません。特に派遣社員やアルバイトの方は、会社から受け取った記憶がなく、転職先から「提出してください」と言われて初めてパニックになるケースもあります。

雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入していることを証明する書類で、転職時には被保険者番号を引き継ぐために必要です。ただし、紛失していても再発行ができますし、番号の照会によって手続き自体は進められるため、過度に心配する必要はありません。

この記事では、雇用保険被保険者証がどのような書類で、どのタイミングで必要になるのか、もらえない場合や紛失した場合の対処法について、実務的な視点から解説します。

■目次

スポンサーリンク

雇用保険被保険者証とは

雇用保険被保険者証とは、ハローワーク(公共職業安定所)が発行する、雇用保険に加入していることを証明する書類です。会社に雇用されて雇用保険に加入すると、一人に一つの被保険者番号が割り振られ、この番号が記載された証明書として発行されます。

なお、雇用保険の「被保険者番号」は「マイナンバー」とは別物です。転職先やハローワークで手続きをする際に必要になるのは、原則としてこの「被保険者番号」です。

雇用保険被保険者証(見本)

雇用保険被保険者証は細長い紙で、切り取り線で左右に分かれた2つの部分があります。

切り取り線より

左側

・雇用保険被保険者資格取得等確認通知書

右側

・雇用保険被保険者証

記載されている主な内容は以下の通りです。

  • 被保険者番号(11桁:4桁-6桁-1桁の形式)
  • 資格取得日(保険に入った日)
  • 氏名・生年月日
  • 事業所名
  • 確認(受理)通知年月日

雇用保険被保険者証が必要になる場面

雇用保険被保険者証は、主に以下の場面で必要になります。

転職先の会社に提出する場合:次の会社での雇用保険加入手続きに必要です。同じ被保険者番号を引き継ぎます。

失業給付の手続きをする場合:離職票と併せてハローワークで提示・提出を求められることがあります。

教育訓練給付金の申請をする場合:厚生労働大臣指定の教育訓練を受講・修了した際、給付金を申請する時に必要です。

雇用保険被保険者証が手元にないと、転職先での確認に時間がかかったり、ハローワークで追加の確認が入ったりすることがあります。ただし、紛失していても再発行ができ、番号の照会によって手続き自体は進められるため、慌てる必要はありません。

被保険者番号とは

雇用保険の被保険者番号は、原則として1人につき1つの番号が付与されます。転職を繰り返しても、通常は同じ番号を使い続けます。

毎回新しい雇用保険被保険者証が渡されることはありますが、番号は同じはずです。転職先の会社が必要とするのは、この被保険者番号です。この番号がわかれば、雇用保険の加入手続きができます。

【重要】「7年で無効」という誤解に注意

ネット上で「離職から7年で被保険者番号が抹消される」「被保険者証に有効期限がある」といった情報を見かけることがありますが、少なくとも転職の実務としては「7年で使えなくなる」と決めつけない方が安全です。

長期間ブランクがある場合でも、まずは転職先の会社やハローワークで被保険者番号を照会できます。もし過去の番号が見つからない・複数番号が出てくる等のイレギュラーがあれば、その場で整理(統合など)の案内がされます。ここは自己判断せず、ハローワークで確認してください。

雇用保険被保険者証の対象者

雇用保険被保険者証は正社員だけでなく、一定の条件を満たせばパート・アルバイト・契約社員・派遣社員なども発行対象です。

雇用保険の加入条件は以下の2つです。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること

※2028年10月からは、週10時間以上へ適用拡大される予定ですが、2026年現在はまだ「週20時間以上」が条件です。

この条件を満たしていれば、雇用形態に関わらず雇用保険に加入でき、雇用保険被保険者証が発行されます。

派遣社員の場合の注意点

派遣社員の場合、雇用契約は派遣元(派遣会社)と結んでいるため、雇用保険被保険者証も派遣会社から発行されます。派遣先の企業ではありません。ここは間違いやすいです。

ただし、派遣会社によっては以下のような対応をするところもあります。

  • 会社側で保管している:退職時まで本人に渡さないケースが多い
  • マイページからダウンロード形式:テンプスタッフなど一部の派遣会社ではWeb上で確認・ダウンロードが可能
  • 退職後に郵送:退職手続き完了後、離職票と一緒に郵送されるケース

派遣契約終了後に次の派遣先が決まっている場合でも、同じ派遣会社であれば雇用保険被保険者証の提出は不要です。派遣会社を変える場合のみ、新しい派遣会社に提出する必要があります。

スポンサーリンク

雇用保険被保険者証はいつ、どこでもらえるのか

会社側の手続きと発行タイミング

会社が雇用保険の適用対象者を採用した場合、事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。これが加入手続きとなります。

届出は採用日の翌月10日までに行う必要があります。ハローワークから交付された雇用保険被保険者証は、会社が本人に手渡すか、会社で保管します。

※近年は電子申請の普及により、書面ではなくPDF等の電子データで交付される場合もあります。

本人への交付タイミング

通常は入社後1〜2ヶ月以内に手渡されるか、給与明細と一緒に配布されることが多いです(会社が資格取得手続きを終えたタイミングで渡されるため、少し時間がかかることがあります)。

ただし、ほとんどの会社では、実際に使用する機会がないため、退職時まで会社で保管します。退職が決まった際に、離職票などの退職書類と一緒に本人に渡されることが一般的です。

会社によっては入社時に本人に渡すところもあります。渡された場合は自分で保管し、転職や失業給付の手続きの際に使用します。

もらった記憶がない場合の対処法

雇用保険被保険者証をもらった記憶がない場合、以下のケースが考えられます。

  1. 会社が保管している
  2. 自分で失くした
  3. そもそも雇用保険に加入していない

転職先から「被保険者番号を教えてください」と言われてた場合、もし被保険者番号だけ控えてあるなら先にその番号を伝えましょう。もしその紙が必要だ(雇用保険被保険者証)と言われたら、後日ハローワークで再交付してもらえば良いだけです。

慌てて「ない」とだけ伝えると、誤って新規番号で手続きされてしまう原因になるため、まずは以下の順で確認しましょう。

雇用保険被保険者証のフローチャート

1. 会社が保管している場合

まずは会社の総務部や人事部に問い合わせてください。多くの会社では、従業員の雇用保険被保険者証を退職まで保管しています。

在職中でも、転職のために必要であれば返却を求めることができます。本来、被保険者証は従業員本人が保管すべきものです。会社に依頼すれば、退職前でも受け取れるはずです。

2. 自分で失くした場合

会社から受け取ったはずなのに失くしてしまった場合、ハローワークで再発行できます。

再発行の手続き

  • 場所:最寄りのハローワーク(全国どこのハローワークでも可)
  • 必要なもの:本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など)
  • 申請書類:雇用保険被保険者証再交付申請書(窓口でもらえます)
  • 所要時間:10〜30分程度(即日発行)
  • 手数料:無料

雇用保険被保険者証再交付申請書

申請書には、前職の会社名や所在地を記入します。資格取得日や被保険者番号がわからなくても、氏名と生年月日からハローワークのシステムで検索してもらえるので問題ありません。

注意点

  • 土日・祝日は窓口での再発行はできません(平日8:30〜17:15のみ)
  • 小規模な出張所などでは即日対応していない場合があります
  • 電子申請も可能ですが、手続き環境(ID取得等)が必要になることがあるため、急ぎの場合は窓口での再発行がおすすめです

代理人による再発行

本人がハローワークに行けない場合、代理人による再発行も可能です。その場合は、本人の委任状と代理人の本人確認書類が必要です。

3. そもそも雇用保険に加入していなかった場合

雇用保険に加入していなければ、雇用保険被保険者証は発行されません。アルバイトやパートで週20時間未満の勤務だった場合などは雇用保険に加入していないため、雇用保険被保険者証は存在しません。

ただし、「加入していない」と伝える前に、前職で週20時間以上だった可能性がある場合は、その会社へ確認するのがおすすめです(誤って新規番号で手続きされると、番号が複数になる原因になります)。

前職で加入していないことが確認できた場合は、転職先には「前職では雇用保険に加入していませんでした」と伝えれば問題ありません。転職先で新規に番号が発行されます。

※給与明細等で雇用保険料が引かれている場合は、加入していることになります。

スポンサーリンク

転職時の雇用保険被保険者証の扱い

転職先が決まっている場合、雇用保険被保険者証を次の会社に提出する必要があります。これは被保険者番号を引き継ぐためです。

被保険者番号が重要な理由

雇用保険の被保険者番号は、一人に一つ割り当てられ、転職しても同じ番号を使い続けます。この番号によって、過去の雇用保険加入期間が通算されます。

失業給付を受ける際、給付日数は雇用保険の加入期間(被保険者期間)によって決まります。転職先で新しい番号を作ってしまうと、過去の加入期間が引き継がれず、将来失業給付を受ける際に不利になる可能性があります。

転職先での手続き

転職先の会社は、あなたから受け取った雇用保険被保険者証に記載された被保険者番号を使って、管轄のハローワークで資格取得の手続きを行います。

前回の退職から再就職まで期間が空いていても、被保険者番号はそのまま引き継がれます。ただし、前回の退職からかなりの年数が経過している場合はデータ照会に時間がかかることがあるため、急いでいる時はあらかじめハローワークで番号を調べておく(再発行してもらう)と安心です。

番号だけ伝えても良い

会社によっては「番号だけ教えてください」と言われることもあります。その場合、雇用保険被保険者証そのものを提出する必要はなく、被保険者番号を伝えるだけで手続き自体は可能です。

ただし会社の運用として、入力ミス防止のために「原本(またはコピー)の提出」を求められることがあります。提出方法の指定がある場合は、指示に従ってください。

雇用保険被保険者証がない場合

前の会社から雇用保険被保険者証をもらっていない、または紛失してしまった場合でも、転職先への入社は可能です。

「雇用保険被保険者証がない」と伝えれば、会社側がハローワークで被保険者番号を照会して手続きを進めてくれます。 その際に「前職の情報を詳しく伝えたくない」「会社に調べてもらうのは気が引ける」という場合は、入社前に自分でハローワークに行き、再発行の手続きをしておけば番号だけをスムーズに提出できます。

雇用保険被保険者証は切り取って提出して良いのか

切り取っても問題ありません。切り取り線があるので、右側だけ切り取って提出しても構いません。その場合は、全体の写真を撮ったり、コピーを取ったりすれば控えとして残せます。

なぜ切り取って提出するのか

左側の「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」には、前職の会社名が記載されています。

短期間で退職した会社を転職先に知られたくない場合や、職歴を省略して伝えている場合、左側を切り取って右側だけを提出することで、前職の会社名を伏せることができます。

会社が知りたいのは被保険者番号だけなので、右側の「雇用保険被保険者証」だけで手続きは完了します。

切り取らずに提出した場合

切り取らずに左右両方を提出すると、当然ながら前職の会社名がわかってしまいます。特に隠す必要がなければ、切り取らずにそのまま提出しても問題ありません。

※実務上は、キリトリ線で切り取らず、細長い状態のまま会社に提出するのが一般的です。
切り取ると非常に小さく(名刺サイズ)なり、紛失のリスクが高まるため、多くの人が繋がったまま保管・提出しています。「前の会社名をどうしても知られたくない」という特別な事情がない限り、そのまま提出して全く問題ありません。

古い雇用保険被保険者証でも使える

何度か転職している場合、手元に複数の雇用保険被保険者証があるかもしれません。その場合、古いものでも問題ありません

被保険者番号は基本的に変わらないため、どの雇用保険被保険者証を提出しても、番号さえ合っていれば手続きできます。

スポンサーリンク

失業給付の手続きに必要な場合

転職先が決まっておらず、失業給付(基本手当)の手続きをする場合は、雇用保険被保険者証と離職票を併せてハローワークに提出する必要があります。

失業給付の受給資格は、原則として離職日以前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間があることが条件です(自己都合退職の場合。会社都合退職の場合は離職日以前1年間に6ヶ月以上)。

雇用保険被保険者証がない状態でハローワークに行っても、その場で被保険者番号を調べてもらえるため、手続き自体は可能です。ただし、離職票は必須なので、必ず前の会社から受け取ってください。

複数の被保険者番号がある場合の対処法

本来、雇用保険の被保険者番号は1人1番号ですが、まれに複数の番号を持っている人がいます。

なぜ複数の番号が発行されるのか

会社が雇用保険の加入手続きをする際、前職の被保険者番号を引き継がずに、新規番号として手続きしてしまった場合に起こります。これは会社側の手続きミス(あるいは本人からの申告漏れ)です。

複数番号のデメリット

複数の被保険者番号があると、雇用保険の加入期間が分断されてしまうため、失業保険を受給する際に不利になる可能性があります。

失業保険の受給日数は、雇用保険の加入期間が長いほど多くなる仕組みです。番号が分かれていると、それぞれの加入期間が短く見えてしまい、本来もらえるはずの日数がもらえなくなることがあります。

被保険者番号の統合手続き

複数の被保険者番号がある場合、ハローワークで統合手続きができます。

統合すると、それぞれの加入期間が合算され、正しい加入期間として認められます。手元に複数の被保険者証がある場合は、できるだけ両方(または写し)を持参して相談するとスムーズです。

複数の番号を持っていることがわかったら、早めにハローワークに相談してください。

被保険者番号の調べ方

雇用保険被保険者証が手元にない状態で、被保険者番号だけ知りたい場合は、以下の方法で確認できます。

  • 離職票で確認:離職票には被保険者番号が記載されています
  • 前の会社に問い合わせる:総務や人事部門に問い合わせれば教えてもらえることが多いです
  • ハローワークで照会:本人確認書類を持参すれば、ハローワークで番号を教えてもらえます

まとめ

雇用保険被保険者証は、雇用保険加入を証明する重要な書類です。転職時には被保険者番号を引き継ぐために必要で、失業給付の手続きでも使用します。

通常は退職時に会社から受け取りますが、派遣社員の場合は派遣会社で保管されていることが多いため、退職時に確認が必要です。紛失した場合でも、ハローワークで無料で即日再発行できるため、慌てる必要はありません。

転職先への提出が間に合わない場合や紛失した場合でも、会社やハローワークで被保険者番号を照会できるため、手続き自体に支障はありません。ただし、スムーズに手続きを進めるためには、退職時にきちんと受け取り、大切に保管しておくことをおすすめします。

【重要ポイント】

  • 被保険者番号は転職しても変わらない(原則同じ番号を使う)
  • 「7年で無効」と決めつけず、長期ブランクはハローワークで照会する
  • 紛失しても即日再発行可能(無料)
  • 切り取り線の右側だけ提出しても問題ない
  • 番号だけ伝えても手続きは可能

よくある質問

Q1. 雇用保険被保険者証と雇用保険受給資格者証は違うものですか?

全く別の書類です。

  • 雇用保険被保険者証:雇用保険に加入している証明書(細長い紙)。入社時に会社から渡される(または会社保管)。
  • 雇用保険受給資格者証(受給資格通知):失業保険を受給する資格があることを証明する書類。ハローワークで失業保険の手続きをした際にもらえる。

転職先への入社手続きで必要なのは「雇用保険被保険者証」の方です。

Q2. 派遣社員ですが、雇用保険被保険者証をもらっていません。どうすればいいですか?

派遣会社が保管している可能性が高いです。まずは派遣会社の担当者に確認してください。テンプスタッフなど一部の派遣会社では、マイページからダウンロードできる場合もあります。退職後に必要になった場合は、派遣会社に連絡すれば郵送してもらえるか、ハローワークで再発行できます。

Q3. 転職先に雇用保険被保険者証を提出しないとどうなりますか?

転職先の会社がハローワークで被保険者番号を照会できるため、入社自体に問題はありません。ただし、照会に時間がかかることがあり、前職の会社名や退職日などの詳細情報を求められます。また、誤って新規番号で発行されてしまうリスクもあるため、スムーズに手続きを進めるためには、できるだけ提出することをおすすめします。

Q4. 同じ派遣会社で別の派遣先に移る場合、雇用保険被保険者証は必要ですか?

同じ派遣会社内であれば、雇用保険被保険者証を再度提出する必要はありません。派遣会社を変える場合のみ、新しい派遣会社に提出が必要です。

Q5. 退職してから7年以上経ちましたが、雇用保険被保険者証は使えますか?

「7年で無効」とは一律には言い切れません。まずは転職先の会社で被保険者番号を照会するか、ハローワークで確認してください。もし番号が複数になっていたり、照会に時間がかかる事情があっても、状況に応じて案内されます。

Q6. 雇用保険被保険者証の番号はどこに記載されていますか?

雇用保険被保険者証には、「被保険者番号」という欄があり、11桁の数字(4桁-6桁-1桁の形式)が記載されています。この番号は原則変わらず、転職しても同じ番号を使い続けます。

Q7. アルバイトでも雇用保険被保険者証は発行されますか?

週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがあれば、アルバイトでも雇用保険に加入するため、雇用保険被保険者証が発行されます。ただし、会社によっては適切に手続きをしていないケースもあるため、条件を満たしているのに加入していない場合は、会社に確認するかハローワークに相談してください。

Q8. 雇用保険被保険者証はコピーでも良いですか?

手続き上は番号さえわかれば可能ですが、会社側が入力ミスを防ぐために原本の提出を求めることが一般的です。提出後に返却してもらえるか相談してみましょう。

Q9. 転職先に提出した雇用保険被保険者証は返してもらえますか?

会社によって対応が異なります。番号確認後に即返却する会社もあれば、退職まで保管する会社もあります。不安な場合は提出時に返却希望を伝えてみてください。

Q10. 雇用保険被保険者証をハローワークで再発行する際、会社にバレますか?

バレません。ハローワークは、雇用保険のデータベースから情報を検索して再発行するため、前職の会社に連絡することはありません。

-雇用保険(失業保険)の手続き
-,