雇用保険(失業保険)の役立話

求職活動になるもの、ならないもの一覧(失業中の求職活動)

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失業保険の支給を受けるには、認定日ごとに求職活動が必要です。
求職活動しなければ失業保険を受け取ることはできません。

認定日とはハローワークで行われる失業状態の確認、収入有無申告、求職活動状況を確認、認定する日のことです。

ここでは求職活動状況を報告する際に求職活動に「なるもの」、「ならないもの」について説明していきます。

認定日は基本4週間ごと(28日ごと)にあり、その都度「失業認定申告書」に記入して報告します。
では、どのようなものが求職活動実績になるのでしょうか?

先に伝えておきますが、この求職活動の見解については少々やっかいです。それは全国のハローワークで求職活動になる、ならないが統一されていないからです。
例えば、ハローワーク内にある検索パソコンで検索しただけで求職活動になるところもあれば、ならないところもあります。

また、今は求職活動に該当していても、将来的には該当しない場合もあります。
少しでも疑問に思えるような内容については、事前に手続きしたハローワークに問い合わせしましょう。

 

失業給付を受けるために必要な求職活動実績回数

失業保険を受け取るには失業認定を受けなければなりません。失業認定を受けるためには求職活動を行っていることが必須です。求職活動を行っていないと、失業保険は受け取ることができません。

期間ごとに必要な求職活動回数は決められています。この決められている数以上に求職活動を行う必要があります。必要な求職活動回数は表の通りです。

初回認定日 2回目 3回目以降
2ヶ月の給付制限なし 1回以上 2回以上 2回以上
2ヶ月の給付制限あり 1回以上 3回以上
(初回認定分含む)
2回以上

※令和2年の法改正より給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月に短縮されました。

初回認定日は1回ですが、雇用保険説明会に参加していればそれが1回の求職活動実績になります
説明会に参加することで「初回講習会参加」として失業認定申告書に書くことができます。実質は求職活動はしなくても良いことになります。

2ヶ月の給付制限有りの場合の2回目だけが3回以上になっています。
これは以下の図のように、初回認定日の分も含まれているので、実質は2回以上です。

給付制限有りの場合、2回目は3回以上の求職活動が必要

失業認定申告書の提出について

失業認定申告書とは、以下のようなペラペラな用紙です。
一番下に次回の認定日と時間が記されています。

失業認定申告書

この失業認定申告書に求職活動実績を明記します。

・求職活動の方法
・活動日
・利用した機関の名称
・求職活動の内容

または上記以外で応募した内容
・事業所名、部署
・応募日、応募方法、職種、応募したきっかけ、結果

求職活動実績になるもの、ならないもの

ハローワークで配られる冊子「受給資格者のしおり」に書かれている求職活動実績になるもの一覧です。

  1. 求人への応募
  2. ハローワークが実施する職業相談、職業紹介、初回講習、就職支援セミナー、ビデオセミナー、求人説明会等
  3. 許可、届出のある民間機関(民間職業紹介機関、労働者派遣機関)が行う、職業相談、職業紹介、就職セミナー等
  4. 公的機関等(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、地方自治団体等)が行うキャリアアップガイダンスへの参加、キャリコンサルティング
  5. ハローワークでの相談、就職支援セミナー、職業相談、個別相談ができる企業説明会
  6. 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験

求職活動になるもの、ならないものというのは、雇用保険説明会の時に説明しますし、冊子「受給資格者のしおり」にも書いています。ですが、判断に迷うものもあります。

では実際にハローワークに問合せた内容等含め、以下にまとめてみました。
※実際には各ハローワーク、そして担当者ごとに判断が異なります。(これについては実際どうなのかと思いますが・・・)判断に迷うものがあれば住所管轄のハローワークに問い合わせしてください。

求職活動実績になるもの

求人へ応募して不採用になった場合も求職活動に含まれます。

◆雇用保険受給説明会への参加

 説明会で求職活動についてのセミナーも含まれるため1回とカウントできます。
 この1回があれば、初回の認定日はクリアです。

◆求人への応募

求人への応募は一番就職に結びつく求職活動です。もちろん、求職活動実績にもなります。

求人への応募については、応募したからといってすぐに返事が返ってこない(待たされる)、応募した時点で積極的な求職活動とみなされる、といった理由から「求職活動2回の活動実績とみなす」ハローワークもあります。各ハローワークによって取り扱いが異なりますので実際に問合せてみるのがよいでしょう。

また求人への応募で1回、書類送付で1回(これで合計2回)と認められるハローワークもあります。

◆民間職業紹介会社や派遣会社から紹介された企業への応募

応募した時点で求職活動になります。
たとえ社内選考(エントリーしたが応募まで至らなかった)で落ちた場合でも応募したことには変わりありません。
派遣会社、職業紹介会社への登録は求職活動にはなりません。

◆友人や知人に紹介してもらった会社へ応募した

求職活動になります。

◆電話で応募したが断られた

応募の意思があれば求職活動実績になります。年齢や性別で断られる場合もあるかと思います。
※ただの質問や問い合わせのために連絡した場合は求職活動にはなりません。

◆転職サイトから自分でエントリーしたが経験・経歴・年齢などに合致せず不採用となった

電話連絡同様、求人にエントリーすれば求職活動1回にカウントされます。
ただし転職サイトに登録しただけでは求職活動にはなりません。

◆ハローワークでの相談

求職活動実績になります。
ハローワークは紹介状を受け取るだけの窓口ではありません。
あらゆる就職相談も受けています。認定日の帰りにでも寄ってみましょう。

気になる求人の応募状況を聞くだけでも求職活動にもなります。
他にもセミナー情報やお仕事情報、検索の仕方や履歴書、職務経歴書の添削などいろいろとアドバイスもしてくれます。

◆民間企業が開催している職業相談やセミナー、転職フェアー、合同面接会等への参加

就職に役立つような催し物に参加する場合は就職活動になります。
リクナビやDODAなどが開催している転職フェアー等も参加するだけで求職活動の1回です。
申告書には主催元の連絡先等を記載しましょう。インターネットで情報を検索すると定期的に開催されています。

◆職業訓練に応募した、ハローワークで開催している職業訓練の説明会に参加した

職業訓練の相談、応募でも求職活動1回になります。ハロワークで開催している説明会も求職活動です。

職業訓練に合格し既に訓練中の方は、求職活動実績は必要ありません。職業訓練に通っていることが求職活動になるからです。
職業訓練校に合格したがまだ通うまでに日数がある場合が問題です。それでも求職活動は必要です。その場合はハローワークや職業訓練校への合格手続きに出向く場合も求職活動の1回に含まれます。

◆資格試験を受けた場合

資格試験を受けた場合でも求職活動になるもの、ならないものがあります。
実際の判断は各ハローワークで行いますが、基本的な考え方としては「その資格が自分の希望する仕事に役立つかどうか」です。

事務職へ就職したいため、パソコン関連(MOSなど)や簿記の資格試験を受けたという場合も求職活動になります。不動産関連への就職希望であれば「宅地建物取引士」の資格があれば有利です。
この資格はどうなのかと思ったら、勝手に判断せずハローワークに相談したほうがよいでしょう。

求職活動にならないもの

  • インターネットや雑誌等で求人を探した
  • ハローワークの求人パソコンを利用して検索した
  • 興味がある会社に、条件等について問合せした
  • 民間の職業紹介会社や派遣会社に登録した
  • 友人や知人に仕事の紹介を依頼した

単なる検索、問合せ、依頼などは求職活動にはなりません。

おすすめの求職活動実績

ハローワークでの相談

一番簡単なのが認定日帰りにハローワークの相談窓口を利用することです。

求人検索機を利用した後、気になる求人票についての相談や応募状況を教えてもらったり(応募しなくても大丈夫)、一緒に検索してもらったり(特別な検索方法などもあります)、ハローワーク職員でないとわからない情報を聞いたり(セミナー情報など)など。

その道のプロなので、気軽に相談することをお勧めします。
また、大きなハローワークなどでは、キャリアインサイトと呼ばれる適職判断を行なうパソコンが設置されている場合もあります。質問にいろいろと答えることで、自分の適正や職場環境などが数字としてわかります。

ハローワーク労働局、民間就職支援会社が行なう就職セミナー

求職活動にもなりますし、自分の知識を増やすためにも役にたちます。ハローワーク内で行なうことも多いです。転職フェアーなども定期的に開催されているので、いろいろな企業の話を聞くこともできます。

資格試験を受ける

これは試験の開催時期にもよりますが、自分が目指している分野の資格試験を受けるのも良いかもしれません。

特に事務職を目指している場合、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)などは月に数回開催(全国1700箇所)されていますので、お勧めです。履歴書に書ける資格ですので、パソコンスキルをアピールすることもできます。

まとめ

失業中に就職活動をするのは必要かとは思いますが、人それぞれいろいろな立場や考え方があります。

今後の方向性に迷っている」「すぐには働きたくない」「失業中に資格をとりたい」「自営を考えている」「しばらくは親の介護をしなければならない」「ケガがよくなってから」など。

ですが、失業給付を受け取るにはどうしても求職活動が必要です。

求職活動をしなかったり(忘れていたり)、必要な求職活動回数を満たしていなければ「不認定」という扱いになります。

不認定になれば、その認定期間の失業保険は受け取ることができません。
※なくなるわけではなく、後にずれていきます。

不認定が2回続くと失業保険が受け取れないどころか、働く意思がないとみなされ原則次回以降は支給されません。

失業保険の有効期限はほとんどの方が1年間です。
手続きしてからではなく、退職した翌日から1年間です。1年を超えてしまうと、超えてしまった分は受け取ることができません。

たとえば病気やケガ、親の介護、出産等の理由でしばらく働けない場合は、最長3年間の失業給付延長も可能です。詳しくは 退職してからすぐに働けないとき をお読みください。

間違いやすいのが「認定日の日に求職活動を行った場合」。
その日は次回の求職活動として報告します。認定日の日に就職相談や応募をしてもその日に提出する「失業認定申告書」には書くことができません。

 

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