雇用保険(失業保険)の役立話

派遣3年ルールとは?働き続ける方法と失業保険・60歳の例外を解説

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派遣社員として働いている方の中には、「3年で辞めなければならないの?」「同じ職場で働き続けたい」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

2015年9月に改正された労働者派遣法により、派遣社員は原則として同じ派遣先で3年以上働けなくなりました。これが「派遣の3年ルール」と呼ばれる制度です。

ただし、3年で必ず辞めなければならないわけではありません。派遣元が雇用安定措置を講じることで、働き続ける道はいくつか用意されています。

この記事では、派遣の3年ルールの仕組みと、3年後も働き続けるための選択肢について、2026年1月時点の最新情報を基に詳しく解説します。

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派遣の3年ルールとは?基本的な仕組み

派遣の3年ルールとは、2015年9月30日に施行された改正労働者派遣法によって定められた制度で、派遣社員が同じ派遣先の同じ組織単位(部署)で働ける期間を原則3年までとするものです。

これは、派遣という不安定な働き方が長期間続くことを避け、より安定した雇用形態への移行を促すために設けられました。

3年ルールの対象になる人・ならない人

3年ルールは、すべての派遣社員に適用されるわけではありません。以下のように対象が分かれます。

【3年ルールの対象になる人】

  • 有期雇用の派遣社員(登録型派遣など)
  • 同じ派遣先の同じ組織単位で継続して働いている人

【3年ルールの対象にならない人】

  • 無期雇用派遣の社員(派遣元と無期契約を結んでいる)
  • 60歳以上の派遣社員
  • 日数限定業務(1か月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下)
  • 有期プロジェクト業務(事業の開始・転換・拡大・縮小・廃止のための業務で一定期間内に完了するもの)
  • 産前産後休業・育児休業・介護休業を取得する労働者の代替要員

特に注意したいのが、無期雇用派遣と60歳以上の派遣社員は3年ルールの対象外という点です。これらに該当する場合は、同じ派遣先で3年を超えて働くことができます。

【まずここだけ確認】「自分は対象か?」で迷う場合は、次の順で確認すると早いです。

  • 派遣元との雇用契約が無期か(無期なら原則対象外)
  • 3年の期限時点で60歳以上か(該当すれば対象外)
  • 業務が「日数限定」「有期プロジェクト」「代替要員」などの例外に当たるか
  • 同じ派遣先でも、実際に同じ組織単位(部署)で継続しているか

3年ルールはいつから数えるのか

3年のカウントは、原則として「同じ派遣先の同じ組織単位(部署)」で働き始めた日から数えます。

また、制度が始まった2015年9月30日より前から同じ部署で働いていた場合は、その日(2015年9月30日)を起点として3年を数えます。

例えば:

  • 2018年10月1日に派遣開始 → 2021年9月30日が3年の期限
  • 2023年4月1日に派遣開始 → 2026年3月31日が3年の期限

つまり、2015年9月30日より前から同じ派遣先・同じ部署で働いていた派遣社員については、2015年9月30日からカウントされ、最初の「3年到達」は2018年9月30日になります。

派遣社員の3年ルール

3年後はどうなる?派遣元が行う雇用安定措置

同じ派遣先で3年間働いた派遣社員に対して、派遣元(派遣会社)は雇用安定措置を講じる義務があります。これは「努力義務」ではなく「義務」です。

雇用安定措置とは、以下の4つのいずれかを派遣元が提供しなければならないというものです。

①派遣先への直接雇用の依頼

派遣元から派遣先企業に対して、派遣社員を直接雇用してもらうよう依頼することです。

直接雇用される場合の雇用形態:

  • 正社員
  • 契約社員(有期契約)
  • パート・アルバイト

正社員として採用されれば、給与・待遇(ボーナスや退職金など)が改善される可能性があり、3年ルールや5年ルールに縛られることもなくなります。

ただし現実的には、派遣先企業が直接雇用を受け入れるケースは少ないのが実情です。そもそも派遣を利用している理由が「正社員を雇いたくない」「人件費を抑えたい」という企業側の事情があるためです。

②新たな派遣先の紹介

派遣元が別の派遣先を探して紹介することです。これは派遣会社の本来の業務であり、最も一般的な対応です。

3年間継続して勤務した実績があれば、スキルや信頼性も評価されているため、次の派遣先も比較的見つかりやすいでしょう。

ただし、年齢が上がるほど受け入れ先が少なくなるという現実もあります。40代後半以降になると、新しい派遣先を見つけるのが難しくなるケースもあるため、早めのキャリアプランが重要です。

③派遣元での無期雇用

派遣元企業(派遣会社)の無期雇用社員になることです。派遣元の正社員になることも含まれます。

無期雇用派遣のメリット:

  • 派遣先が決まっていない待機期間中も給与が保証される
  • 更新の度に心配する必要がなくなる
  • 雇用が安定する
  • 今後は3年ルールの対象外になる

無期雇用派遣になれば、次の派遣先でも3年ルールを気にせず働けます。

ただし派遣元にとっては、派遣先が見つからない間も給与を支払わなければならないためリスクが大きく、積極的に無期雇用を提案してくるケースは限られています。

④その他の雇用継続措置

上記①~③以外の方法です。具体的には:

  • 紹介予定派遣への切り替え
  • 教育訓練の実施
  • 有給の教育訓練休暇の付与

何かしらの形で雇用の安定やスキルアップの機会を提供する必要があります。

雇用安定措置は「義務」と「努力義務」がある

派遣元が雇用安定措置を講じる必要があるのは、派遣期間によって以下のように分かれます。

  • 派遣期間が3年の場合: 義務(必ず措置を講じなければならない)
  • 派遣期間が1年以上3年未満の場合: 努力義務(努力する義務はあるが、実施できない場合もある)

つまり、3年継続して働いた場合は、派遣元は必ず何かしらの措置を提供しなければなりません。

参考:労働者派遣法が改正されました(厚生労働省)

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3年ルールの「抜け道」は本当にあるのか

「派遣 3年ルール 抜け道」という検索をしている方が多いのですが、原則として正規の「抜け道」はありません。ただし、制度上認められている方法で同じ派遣先で働き続けることは可能です。

部署異動で継続勤務が可能(制度上認められている方法)

3年ルールは「同じ組織単位(部署)」での派遣期間を制限するものなので、部署を変えれば、同じ派遣先で継続して働くことができます。

例えば:

  • 営業1課で3年勤務 → 営業2課に異動すればリセットされる
  • 経理部で3年勤務 → 総務部に異動すればリセットされる

派遣3年ルール別部署異動

この方法は法律上も認められていますが、いくつか注意点があります。

部署異動で継続する場合の注意点:

  • 派遣先企業が部署異動を受け入れる必要がある
  • 新しい部署で求められるスキルや業務内容が異なる場合がある
  • 部署を変えても、結局は「派遣社員」という立場は変わらない
  • 次の部署でもまた3年後に同じ問題が発生する

つまり部署異動は一時的な解決策であって、根本的な解決にはなりません。

無期雇用派遣になれば3年ルール対象外

前述の通り、無期雇用派遣の社員は3年ルールの対象外です。派遣元と無期契約を結べば、同じ派遣先で3年を超えて働くことができます。

ただし、無期雇用派遣になるには:

  • 派遣元が無期雇用の募集をしている必要がある
  • 選考を通過する必要がある(誰でもなれるわけではない)
  • 派遣先で直接雇用(有期契約)になる場合は、別途「無期転換ルール(いわゆる5年ルール)」が問題になることがある

5年ルールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
5年働けば正社員になれる?(5年ルール「無期転換」について)

派遣先が人を変えれば派遣を継続できる

派遣先企業側の視点で言えば、派遣社員を別の人に変えれば、派遣を継続して利用できます。

人を変えれば派遣社員を継続して雇うことができる

例えば:

  • Aさん3年勤務 → 終了
  • Bさん3年勤務 → 終了
  • Cさん3年勤務 → 終了

このように人を変えながら派遣を使い続けることは可能です。ただし、派遣先企業(事業所)として派遣の受入期間(原則3年)を延長するために、過半数労働組合等への意見聴取という手続きが必要になる場合があります。

派遣社員側から見れば、「派遣先は派遣を使い続けたいが、自分は3年で契約終了」という状況が発生しうるということを理解しておく必要があります。

「派遣3年ルール廃止」の噂は本当か?

「派遣 3年ルール 廃止 いつから」という検索が多く見られますが、2026年1月現在、3年ルールが廃止される予定はありません。

この噂が広まった背景には、以下のような要因があると考えられます。

なぜ「廃止」の噂が流れたのか

  • 2024年問題との混同: 建設業や運送業などで働き方改革関連法の適用が延期されていた「2024年問題」と混同された可能性
  • 他の制度改正との混同: 雇用保険の給付制限期間短縮(2025年4月)など、他の制度変更と混同された可能性
  • 業界団体からの要望: 人材派遣業界から規制緩和を求める声はあるものの、法改正には至っていない

今後の見通し

現時点で3年ルール廃止の動きはありませんが、労働市場の状況や政策の変化によって将来的に見直される可能性はゼロではありません。

ただし、3年ルールは派遣社員の雇用を安定化させるための制度であるため、簡単に廃止されることは考えにくいでしょう。

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3年で契約終了した場合の失業保険はどうなる?

派遣契約が3年で終了した場合、失業保険(雇用保険の基本手当)を受給することができます。ここで重要なのが「会社都合」になるか「自己都合」になるかという点です。

原則として「会社都合」扱いになる

派遣契約が3年で満了し、派遣元が次の派遣先を紹介できない場合や、雇用安定措置を講じなかった場合は、原則として「会社都合退職」として扱われます。

一方で、派遣元が雇用安定措置として次の派遣先を提示したのに本人が正当な理由なく断った場合などは、自己都合扱いになる可能性もあります。離職票の記載や事情によって判断が変わるため、迷う場合はハローワークへ相談してください。

会社都合退職のメリット:

  • 給付制限期間がない(7日間の待期期間後すぐに給付開始)
  • 給付日数が自己都合より長い
  • 国民健康保険料の減免措置が受けられる可能性がある

自己都合退職の場合は、2025年4月の改正で給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮されましたが、それでも会社都合と比べると待期期間が長くなります。

3年前に退職を申し出た場合は?

3年の満了を待たずに自分から退職を申し出た場合は、自己都合退職となります。この場合:

  • 7日間の待期期間+1ヶ月の給付制限期間(2025年4月改正後)
  • 給付日数も会社都合より短い

※ただし、5年間に3回以上の正当な理由のない自己都合退職がある場合は、給付制限期間が3ヶ月となるケースがあります。

なお、派遣元が雇用安定措置を講じなかった場合や、紹介された派遣先の条件が著しく悪い場合などは、正当な理由のある自己都合として給付制限がかからない可能性があります。ハローワークに相談することをおすすめします。

失業保険の給付日数

会社都合退職の場合、年齢と雇用保険の加入期間によって給付日数が決まります。

例:30歳未満・雇用保険加入3年の場合

  • 会社都合:90日
  • 自己都合:90日

例:35歳・雇用保険加入3年の場合

  • 会社都合:90日
  • 自己都合:90日

例:45歳・雇用保険加入3年以上5年未満の場合

  • 会社都合:180日
  • 自己都合:90日

年齢が高く、雇用保険の加入期間が長いほど、会社都合と自己都合の給付日数の差が大きくなります。

失業保険について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
失業保険のもらい方(手続きと受給の流れ)

60歳以上の派遣社員は3年ルール対象外

前述の通り、60歳以上の派遣社員は3年ルールの対象外です。

これは、高齢者の就業機会を確保するための措置で、60歳以上であれば同じ派遣先で3年を超えて働くことができます。

60歳到達のタイミングに注意

60歳到達前から派遣で働いている場合、60歳になった時点で3年ルールの対象外になります。

例:

  • 58歳から派遣開始 → 2年後に60歳になる → その後は3年ルール対象外
  • 59歳から派遣開始 → 1年後に60歳になる → その後は3年ルール対象外

60歳になる前に3年が経過してしまう場合は、一度契約終了となる可能性があるため、派遣元に事前に相談しておくことをおすすめします。

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派遣社員として長く働くことのメリットとリスク

派遣社員として働くことには、メリットもリスクもあります。3年ルールを考える前に、自分のキャリアプランと照らし合わせて考えることが大切です。

派遣社員のメリット

  • 様々な職場を経験できる: 異なる業界や企業で働くことでスキルの幅が広がる
  • 時給が比較的高い: パート・アルバイトと比べて時給が高めに設定されている
  • 残業が少ない: 契約で業務範囲が決まっているため、過度な残業を求められにくい
  • 責任の重さが軽い: 正社員ほどの重い責任を負わずに済む
  • 職場が合わなければ更新しない選択ができる: 契約更新のタイミングで辞めやすい

派遣社員のリスク

  • 雇用が不安定: 景気が悪化すると真っ先に契約終了のリスクがある
  • 3年・5年という期限がある: 長期的なキャリア形成が難しい
  • ボーナス・退職金がないことが多い: 年収ベースで見ると正社員より低くなりがち
  • 社会的信用が低い: ローンやクレジットカードの審査で不利
  • 年齢が上がるほど次の仕事が見つかりにくい: 40代後半以降は特に厳しい

「部品」として扱われるリスク

ある派遣会社の担当者が語った言葉が印象的です。
「私たちの仕事は、人材という部品を各企業に滞りなく供給することです」

これは派遣業界の本質を表しています。派遣社員は企業にとって「交換可能な部品」であり、製品(事業)が作られなくなれば、部品(派遣社員)は不要になります。

安易に日々を過ごしていると、気づいたときには取り返しのつかないことになってしまいます。今は良くても、10年後の自分にツケを回すことになりかねません。

派遣社員として働く場合の将来設計

派遣社員として働くこと自体が悪いわけではありません。自分の意志で派遣という働き方を選んでいる人も大勢います。

大切なのは、将来に向けた人生設計を明確に持つことです。

派遣で働きながら将来に備える方法

  • スキルアップを続ける: 資格取得や専門スキルの習得で市場価値を高める
  • 貯蓄を計画的に行う: ボーナスがない分、毎月の貯蓄計画が重要
  • 正社員登用のチャンスがあれば逃さない: 紹介予定派遣なども視野に入れる
  • 年齢が若いうちに方向性を決める: 30代前半までに正社員を目指すか、派遣で続けるかを決断する
  • 副業やフリーランスの準備をする: 派遣の収入に依存しない働き方を模索する

派遣社員は「今」だけでなく「将来」を見据えた働き方が求められます。

まとめ:3年ルールを理解して賢く働く

派遣の3年ルールは、派遣社員の雇用を安定化させるために設けられた制度です。3年で必ず辞めなければならないわけではなく、派遣元が雇用安定措置を講じることで働き続ける道はあります。

この記事の重要ポイント:

  • 3年ルールは「同じ派遣先の同じ組織単位」での期間制限
  • 無期雇用派遣と60歳以上は3年ルールの対象外
  • 3年後は派遣元が雇用安定措置を講じる義務がある
  • 部署異動で継続勤務は可能だが一時的な解決策
  • 3年ルール廃止の予定は2026年1月時点でない
  • 3年で契約終了した場合は原則「会社都合」扱い
  • 派遣で働く場合は将来設計が極めて重要

派遣という働き方にはメリットもデメリットもあります。3年ルールを正しく理解し、自分のキャリアプランに合った選択をすることが大切です。

正社員を目指すのか、派遣で柔軟に働き続けるのか、副業やフリーランスの道を探るのか。早めに方向性を決めて、計画的にキャリアを築いていきましょう。

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