雇用保険の各種給付について

失業保険をもらいながら専門学校へ!給付制限なしで通える裏技手順

更新日:

「失業保険をもらいながら専門学校に通えるの?」「看護学校に通いたいけど、生活費はどうなる?」

失業保険を受給中、または受給予定のあなたへ。専門実践教育訓練という制度を使えば、失業保険を受けながら専門学校に通い、さらに失業保険終了後も生活費の給付を受け続けることができます。

通常、失業保険は「求職活動をして就職する意思がある」ことが前提ですが、専門実践教育訓練を受講する場合は、一定の条件のもとで給付制限が解除され、学校に通いながら失業保険を受給できる仕組みがあります。

この記事では、失業保険受給者が専門実践教育訓練を利用する際の実務的な手続き・タイミング・注意点を徹底解説します。制度の詳しい仕組みは職業訓練サイトに任せて、ここでは「失業保険をもらいながら専門学校に通う方法」に特化して説明します。また少し下に、読むのが面倒な方向けに、わかりやすい音声解説もあります。

■目次

スポンサーリンク

失業保険受給中でも専門学校に通える理由

🎧 文字を読まなくても大丈夫、ラジオ感覚で

 記事の内容をわかりやすく15分でAI解説


失業保険(雇用保険の基本手当)は、本来「働く意思と能力があり、求職活動をしている人」に支給されるものです。そのため、「学校に通う=働けない」と判断されると、失業保険は受給できません。

しかし、専門実践教育訓練を受講する場合は例外として扱われるケースがあります。

専門実践教育訓練なら給付制限が解除される

通常、自己都合退職の場合は「給付制限期間」があり、2025年4月以降は1ヶ月間失業保険が支給されません。

しかし、専門実践教育訓練など、リ・スキリングのための教育訓練を受けた(受けている)場合は、所定の手続きにより給付制限が解除されます。つまり、7日間の待期期間が終われば、受給を開始できる扱いになります。

※解除の可否は、受講する訓練の種類や証明書類の提出状況により異なります。必ずハローワークで確認してください。

専門実践教育訓練とは(簡単に説明)

専門実践教育訓練とは、厚生労働大臣が指定した専門学校等で、看護師・美容師・保育士・介護福祉士などの国家資格取得を目指す講座を受講する制度です。

主な特徴:

  • 受講期間:1年~3年(2年、3年が中心)
  • 学費補助:受講料の最大80%が給付される(年間上限64万円)
  • 生活費補助:失業保険終了後も教育訓練支援給付金を受給できる(条件あり)

※制度の詳細は以下の記事をご覧ください。
専門実践教育訓練について(職業訓練サイト)

失業保険と専門実践教育訓練の併用スケジュール

「結局いつ何をもらえるの?」という疑問に答えます。失業保険受給者が専門実践教育訓練を受ける場合、以下の順番で給付を受けます。

受給の流れ(3つの給付金)

① 失業保険(基本手当)
退職後、ハローワークで手続きをして受給します。専門実践教育訓練を受講する場合、給付制限が解除される扱いになれば、7日間の待期期間後すぐに受給開始できます。

受給期間:自己都合退職の場合、通常90日~150日(年齢・加入期間により異なる)

② 教育訓練支援給付金
失業保険が終了した後、専門学校を修了するまで受給できます。原則として失業保険(基本手当)の日額の60%が支給されます(45歳未満の離職者など、条件あり)。

※過去に「基本手当日額の80%」となる暫定措置があった時期もありますが、適用条件(受講開始時期など)が非常に厳しいため、該当するかは必ずハローワークで確認してください。

③ 専門実践教育訓練給付金
受講中、6ヶ月ごとに学費の一部が給付されます。受講料の最大80%(年間上限64万円)が支給されます。

重要:失業保険と教育訓練支援給付金は同時には受け取れません。まず失業保険を受給し、それが終了してから教育訓練支援給付金を受け取る流れになります。

【具体例】3月末退職→4月から看護学校の場合

30歳、自己都合退職、失業保険90日受給できる場合のスケジュール例です。

【3月末】
退職

【4月1日】
看護学校入学

【4月中旬】
ハローワークで失業保険の手続き
7日間の待期期間(この間は給付なし)

【4月下旬~7月下旬】
失業保険を受給(90日分)
※給付制限が解除されている扱いになれば、待期期間後すぐに受給開始

【7月下旬以降】
失業保険終了後、教育訓練支援給付金に切り替え
※2ヶ月ごとに認定日にハローワークで手続き

【10月】
4月~9月分の学費に対する給付金(50%)を受給
※6ヶ月ごとに支給申請

【以降】
・教育訓練支援給付金:2ヶ月ごとに受給
・学費の給付金:6ヶ月ごとに受給
・卒業まで継続

スポンサーリンク

【受給日数別】失業保険の受給期間と教育訓練支援給付金の関係

失業保険の受給日数は、退職理由・年齢・雇用保険の加入期間によって異なります。それぞれのケースで、いつまで失業保険を受給でき、いつから教育訓練支援給付金に切り替わるかを整理します。

ケース①:90日受給の場合(自己都合・加入期間10年未満)

最も一般的なケースです。

  • 失業保険受給期間:約3ヶ月
  • 教育訓練支援給付金:失業保険終了後~卒業まで

【金額例】
月給30万円の場合、失業保険日額は約5,900円
・失業保険:5,900円 × 90日 = 約53万円
・教育訓練支援給付金(原則60%):5,900円 × 60% = 3,540円/日
・3年制の場合:3,540円 × 約1,005日 = 約355万円

ケース②:120日受給の場合(自己都合・加入期間10年以上20年未満)

  • 失業保険受給期間:約4ヶ月
  • 教育訓練支援給付金:失業保険終了後~卒業まで

90日受給の場合より約1ヶ月長く失業保険を受給できます。

ケース③:150日受給の場合(会社都合・加入期間5年以上10年未満など)

  • 失業保険受給期間:約5ヶ月
  • 教育訓練支援給付金:失業保険終了後~卒業まで

会社都合退職の場合、給付日数が多いため、失業保険を長く受給できます。

ケース④:240日受給の場合(会社都合・45歳以上・加入期間10年以上など)

  • 失業保険受給期間:約8ヶ月
  • 教育訓練支援給付金:失業保険終了後~卒業まで(ただし45歳以上は対象外

重要:教育訓練支援給付金は45歳未満のみが対象です。45歳以上の方は、失業保険が終了した後の生活費支援はありません。

2ヶ月ごとの認定日の流れ(教育訓練支援給付金)

教育訓練支援給付金は、失業保険と同様に2ヶ月ごとの認定日にハローワークで手続きを行います。

認定日の流れ

  1. 認定日の指定:失業保険終了後、最初の認定日がハローワークから指定されます
  2. ハローワークへ来所:指定された認定日にハローワークへ行きます
  3. 出席証明書の提出:専門学校が発行した「受講証明書」または「出席証明書」を提出
  4. 認定:ハローワークで認定を受ける
  5. 給付金の振込:認定から約1週間後に指定口座に振り込まれます

認定日に必要なもの

  • 雇用保険受給資格者証
  • 受講証明書(専門学校が発行)
  • 印鑑

認定日に学校があったらどうする?

認定日は原則として指定日に来所が必要です。ただし、やむを得ない理由がある場合は、事前にハローワークに相談すれば認定日を変更できる場合があります。

「学校の授業がある」という理由だけでは変更できないことも多いため、認定日は学校側と早めに調整する必要があります。

スポンサーリンク

失業保険受給中にやってはいけないこと

失業保険を受給しながら専門学校に通う場合、いくつかの注意点があります。

①アルバイトの制限

教育訓練支援給付金を受給する場合、就労に制限があります。

アルバイトをする場合は、失業保険の受給ルールと同様に、以下の条件を満たす必要があります。

  • 週20時間未満の労働
  • 短期的な就労(1日だけ、数日だけなど)
  • 事前にハローワークに申告

無申告でアルバイトをすると、不正受給となるリスクがあります。必ず事前にハローワークに確認してください。

②出席率80%未満で給付金打ち切り

教育訓練支援給付金は、連続する2ヶ月の出席率が80%に満たなかった場合、それ以降は一切支給されなくなります

さらに、欠席した日は支給されません

支給額が大きい分、出席要件も厳しくなっています。1日も休まない気持ちで訓練に臨む必要があります。

③病気で欠席した場合

病気やケガで欠席した場合、医師の診断書があれば欠席扱いにならない場合があります。

ただし、判断はハローワークが行うため、必ず事前に相談してください。

④求職活動の申告漏れ

失業保険(基本手当)を受給している間は、認定日に求職活動の実績を申告する必要があります。専門実践教育訓練を受講している場合でも、認定日での手続き自体はなくなりません。

ただし、取り扱いとして「専門学校への通学(受講状況)」が実績として扱われるケースが多く、追加で求人応募が必要ないこともあります。ここはハローワークの指示に従ってください。

すでに失業保険を受給中の人が今から専門実践を始める方法

「すでに失業保険をもらっているけど、今から専門学校に通いたい」という方もいるでしょう。

受給開始後でも間に合うか

はい、間に合います。ただし、受講開始日の1ヶ月前までに手続きを完了させる必要があります。

つまり、4月から専門学校に通いたい場合、3月初旬までにハローワークで手続きを開始する必要があります。

手続きの流れ

  1. キャリアコンサルティングを受ける:ハローワークでキャリアコンサルタントと面談し、ジョブ・カードを作成
  2. 受講資格確認の手続き:「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」を提出
  3. 受講開始:専門学校に入学

※すでに失業保険を受給中の場合、給付制限の解除は論点になりませんが、失業保険を受給しながら専門学校に通うための手続きは必要です。

スポンサーリンク

失業保険を受けずに専門学校に通った場合のデメリット

「失業保険の手続きが面倒だから、受けずに専門学校に通う」という選択はおすすめできません。

教育訓練支援給付金が受けられなくなるリスクが高い

教育訓練支援給付金は、失業保険の受給手続き(受給資格の決定など)とセットで判断される部分が多く、手続きをしないと支給要件を満たせない可能性が高いです。

つまり、生活費の支援がない状態で専門学校に通うことになり、家計が一気に厳しくなります。

【損失額の例】
月給30万円の場合、教育訓練支援給付金は1日約3,540円(原則60%)
1年間(365日):3,540円 × 365日 = 約129万円

「手続きしなかったせいで受け取れなかった」という事態にならないよう、必ずハローワークで手続きをしてください。

必ず失業保険の手続きをすべき理由

  • 失業保険自体を受給できる(例:90日分で約53万円)
  • 教育訓練支援給付金の受給可否を正しく判定してもらえる
  • 給付制限の解除に該当するか確認できる

手続きは1日あれば進められます。早めに動きましょう。

6ヶ月ごとの学費給付金申請の流れ

専門実践教育訓練給付金(学費補助)は、6ヶ月ごとに支給申請を行います。

申請のタイミング

例えば4月1日に受講開始した場合:

  • 1回目:10月1日~10月31日の間に申請(4月~9月分)
  • 2回目:4月1日~4月30日の間に申請(10月~3月分)
  • 3回目:10月1日~10月31日の間に申請(4月~9月分)

このサイクルで卒業まで続けます。

申請に必要な書類

  • 教育訓練給付金支給申請書
  • 受講証明書(専門学校が発行)
  • 領収書(専門学校が発行)
  • 本人確認書類
  • 通帳またはキャッシュカード

振込までの期間

申請から約1~2ヶ月後に指定口座に振り込まれます。

まとめ:失業保険受給者が専門実践教育訓練を使うポイント

失業保険を受給しながら専門学校に通うことは可能です。ただし、いくつかの重要なポイントがあります。

【重要ポイント】

  • 受講開始日の1ヶ月前までに手続きが必要
  • 給付制限が解除される扱いになる場合がある(7日間の待期後に受給開始)
  • 失業保険→教育訓練支援給付金の順番で受給(同時には受け取れない)
  • 教育訓練支援給付金は原則60%(45歳未満など条件あり)
  • 出席率80%未満で給付金打ち切り
  • アルバイトは週20時間未満、事前申告必須
  • 認定日は2ヶ月ごと、原則来所が必要
  • 失業保険の手続きをしないと、生活費支援を受けられないリスクが高い

【受給スケジュール例】

  1. 退職後、失業保険の手続き
  2. 7日間の待期後、失業保険受給開始(90日~240日)
  3. 失業保険終了後、教育訓練支援給付金に切り替え(2ヶ月ごとの認定)
  4. 学費の給付金は6ヶ月ごとに申請
  5. 卒業まで継続

まずは受講開始日の1ヶ月前までに、ハローワークで受講資格確認の手続きを完了させることが最優先です

制度の詳細や最新情報については、必ず住所管轄のハローワークに相談してください。

※専門実践教育訓練の制度詳細については、以下の記事をご覧ください。

よくある質問(失業保険受給者向け)

Q1. 認定日に学校を休んでいいですか?

A. 認定日は原則として指定日に来所が必要なため、学校を休んでハローワークに行うケースが多いです。やむを得ない理由がある場合は、事前にハローワークに相談してください。ただし、「学校の授業がある」という理由だけでは変更できないこともあります。

Q2. 病気で欠席した場合、教育訓練支援給付金はどうなりますか?

A. 病気やケガで欠席した場合、医師の診断書があれば欠席扱いにならない場合があります。ただし、判断はハローワークが行うため、必ず事前に相談してください。無断欠席は支給対象外となります。

Q3. 失業保険を受けずに専門学校に通ったらどうなりますか?

A. 教育訓練支援給付金は失業保険の受給手続きと関連して判断されるため、手続きをしないと支給要件を満たせない可能性が高いです。生活費支援が受けられず家計が苦しくなるため、必ず失業保険の手続きを行ってください。

Q4. アルバイトをしながら専門学校に通えますか?

A. 教育訓練支援給付金を受給する場合、就労に制限があります。アルバイトをする場合は、週20時間未満かつ短期的な就労に限られます。また、事前にハローワークに申告が必要です。無申告でアルバイトをすると不正受給となるリスクがあります。

Q5. 失業保険の受給中に専門学校の選考試験を受けてもいいですか?

A. はい、問題ありません。専門学校の選考試験を受けることは、求職活動の一環として認められることがあります。ただし、受講開始日の1ヶ月前までに受講資格確認の手続きを完了させる必要があります。

Q6. 会社都合退職で失業保険の受給日数が多い場合、教育訓練支援給付金はいつから受給できますか?

A. 失業保険が終了した後から受給できます。たとえば、失業保険を240日受給できる場合、約8ヶ月間は失業保険を受給し、その後に教育訓練支援給付金に切り替わります。ただし、45歳以上は教育訓練支援給付金の対象外です。

Q7. 専門学校を途中で辞めた場合、失業保険はどうなりますか?

A. すでに受け取った給付金について返還義務はありません。ただし、それ以降の教育訓練支援給付金は受けられなくなります。辞めた後の扱い(失業保険へ戻れるか等)は個別事情で変わるため、専門学校を辞める前に必ずハローワークに相談してください。

専門実践教育訓練について(職業訓練サイト)

-雇用保険の各種給付について
-, , ,