雇用保険(失業保険)とは

失業保険はいくらもらえる?金額計算と手続きの流れ

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失業保険は、退職後の生活を支える重要な制度です。しかし、「いくらもらえるのか」「どうやって受け取るのか」「何に注意すればいいのか」など、わからないことだらけで不安になりますよね。

実は、失業保険はパートやアルバイトでも受け取れます。毎月の給与から雇用保険料が天引きされているなら、雇用保険に加入している証拠です。知らないと損をするのは自分自身です。

また、失業保険には「得する受け取り方」があります。再就職手当、職業訓練による受給延長など、知っているかどうかで受け取れる金額が大きく変わることもあります。

この記事では、失業保険の基礎知識から、具体的な受給金額、手続きの流れ、そして得する受け取り方まで、図をもとにわかりやすく解説します。

■目次

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失業保険とは? まず基本を理解しよう

失業保険の正式名称は「雇用保険の基本手当」

「失業保険」という言葉は通称で、正式には「雇用保険の失業等給付」のうちの「基本手当」といいます。この記事では、わかりやすく「失業保険」として説明します。

失業保険は、失業した時に一定期間、生活費を支給してくれる制度です。在職中に毎月給与から「雇用保険料」として天引きされており、その保険料を財源として給付されます。

雇用保険料は毎月の給与から天引される

雇用保険料はいくら引かれている?

雇用保険料は、給与の0.55%(労働者負担分、一般の事業・2025年度)が毎月天引きされています。たとえば月給30万円なら、1,650円です。

※雇用保険料率は事業の種類(一般の事業、建設など)によって異なり、年度によって改定されることがあります。実際の料率は、給与明細や勤務先の案内で確認できます。

社会保険料(健康保険・厚生年金)と比べるとかなり少額ですが、この保険料を払っていることで、退職後に失業保険を受け取る権利が得られます。

失業保険を受け取るための2つの条件

失業保険を受け取るには、雇用保険に一定期間加入している必要があります。退職理由によって必要な加入期間が異なります。

退職理由 必要な加入期間 備考
会社都合退職 6ヶ月以上 正当な理由のある自己都合退職を含む
(特定受給資格者・特定理由離職者)
自己都合退職 12ヶ月以上 離職日以前2年間に通算12ヶ月以上

会社都合退職とは

会社の倒産、解雇、希望退職の募集などが該当します。また、以下のような「正当な理由のある自己都合退職」も会社都合と同じ扱い(給付制限なし)になります。

  • 病気やケガで働けなくなった
  • 妊娠・出産・育児
  • 家族の介護が必要になった
  • 通勤が困難になった(会社の移転、引越しなど)
  • 賃金の大幅な引き下げ
  • 長時間労働(月45時間超の残業が3ヶ月以上)

詳しくは特定受給資格者と特定理由離職者とは(失業保険が優遇されます)をご覧ください。

パート・アルバイトでも受給できる

雇用保険は、「週20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込み」がある場合に加入義務があります。そのため、パートやアルバイトでもこの条件を満たしていれば雇用保険に加入しており、失業保険を受け取れます。

給与明細に「雇用保険料」の天引きがあるかどうかで、加入しているか確認できます。

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失業保険はいくらもらえる? 給料の何割?

基本手当日額は給料の約50〜80%

失業保険で受け取れる金額は、退職前6ヶ月間の平均賃金の約50〜80%です。正確には、離職前の賃金や年齢によって「基本手当日額」が決まり、その日額を支給日数分受け取ります。

※賃金が高い場合は「上限額」の影響で、給料に対する割合が低く見えることがあります(次の「上限額と下限額」を参照)。

具体例(月額換算):

30歳、月給30万円の場合
基本手当日額:約6,000円 → 月額約16.8万円(28日換算)

40歳、月給40万円の場合
基本手当日額:約6,700円 → 月額約18.7万円(28日換算)

月給10万円のパートの場合
基本手当日額:約2,700円 → 月額約7.5万円(28日換算)

※実際の支給は28日ごとの認定日に行われるため、上記の月額は4週間分(28日分)の目安です。

上限額と下限額がある

失業保険には年齢ごとに上限額と下限額が設定されています。たとえ月給が100万円でも、上限額を超える部分は支給されません。

基本手当日額の上限・下限(2025年8月改定〜2026年7月まで):

年齢 上限額(日額) 下限額(日額)
30歳未満 6,945円 2,295円
30歳以上45歳未満 7,715円 2,295円
45歳以上60歳未満 8,490円 2,295円
60歳以上65歳未満 7,294円 2,295円

※上記は2025年8月に改定された金額であり、2026年7月31日まで適用されるものです。

自動計算ツールで簡単に計算できる

自分の失業保険がいくらになるかは、以下の自動計算ツールで簡単に計算できます。月額給与、年齢、雇用保険加入年数を入力するだけです。

【2025年最新】失業保険の金額を計算(自動計算ツール)期間もわかります

失業保険はどれくらいの期間もらえる?

退職理由と年齢、加入期間で大きく変わる

失業保険の受給期間(所定給付日数)は、退職理由、年齢、雇用保険の加入期間によって決まります。

会社都合退職、加入期間が長いほうが優遇される

自己都合退職の場合: 90日〜150日

  • 加入期間10年未満:90日
  • 加入期間10年以上20年未満:120日
  • 加入期間20年以上:150日

会社都合退職の場合: 90日〜330日

  • 年齢が若く、加入期間が短いと90日
  • 年齢が高く、加入期間が長いと最長330日

具体例:

  • 自己都合退職、30歳、加入期間5年 → 90日間
  • 会社都合退職、50歳、加入期間28年 → 330日間

詳しくは雇用保険(失業保険)はいつまでもらえるの?または失業保険のもらえる期間(わかりやすく図で説明)をご覧ください。

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失業保険の受け取り方、手続きから受給までの流れ

STEP1: ハローワークで手続き

失業保険は自分で手続きしないと受け取れません。退職したら自動的にもらえるわけではありません。

手続きは、住所地を管轄するハローワークで行います。必要な持ち物は以下の通りです。

  1. 雇用保険被保険者離職票(1と2)(会社から郵送される)
  2. 個人番号確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード)
  3. 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  4. 証明写真2枚(縦3cm×横2.5cm ※マイナンバーカード提示等で省略可能な場合あり)
  5. 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

特に重要なのが離職票です。これは会社が退職手続きをハローワークで行った後、本人宛に郵送されます。退職後10日〜2週間経っても届かない場合は、会社に連絡して確認しましょう。

詳しくは失業保険の手続きに必要なものをご覧ください。

※離職票が届かない場合でも、離職票が送られてこなくても、失業保険の仮手続ができます!で解説している通り、仮手続きが可能です。

STEP2: 雇用保険説明会に出席

手続きから約1週間〜2週間後に、ハローワークで開催される「雇用保険説明会」に出席します(動画視聴で代替される場合もあります)。この説明会は必須で、欠席すると失業保険の手続きが進みません。

STEP3: 4週間ごとの失業認定

失業保険を受け取るには、4週間(28日)ごとにハローワークで「失業認定」を受ける必要があります。認定日にハローワークへ行き、求職活動の実績を報告します。

認定を受けると、通常は数日〜1週間後に指定した口座に失業保険が振り込まれます。

STEP4: 初回の振込はいつ?

会社都合退職の場合: 手続きから約1ヶ月後

自己都合退職の場合: 手続きから約1ヶ月半〜2ヶ月後

自己都合退職の場合、給付制限期間が原則1ヶ月(2025年4月改正で2ヶ月から短縮)あるため、受給開始が遅くなります。

※「給付制限が1ヶ月」でも、支給は「認定(28日ごと)」のサイクルで行われます。給付制限がちょうど終わるタイミングと認定日が重ならないことが多いため、実際の初回振込は「1ヶ月半〜2ヶ月後」になるのが一般的です。

詳しくは失業保険はいつ振り込まれるのか、認定日の確認方法をご覧ください。

失業保険と年金は同時にもらえる?

65歳未満は併給できない

失業保険(基本手当)と老齢厚生年金は、65歳未満の場合は同時に受給できません。どちらか一方を選ぶ必要があります。

60歳以上65歳未満で退職し、失業保険(基本手当)を受給する場合、失業保険を受給している期間中は老齢厚生年金の支給が全額停止されます。失業保険の受給が終わったら、年金の支給が再開されます。

65歳以上は併給できる

65歳以上の場合、失業保険(正確には「高年齢求職者給付金」という一時金)と老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)を同時に受給できます。

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失業保険の得する受け取り方3選

1. 再就職手当を活用する

失業保険の受給期間中に早く再就職が決まった場合、再就職手当を受け取れます。これは、失業保険の残り日数に応じて、最大で残り日数の70%を一括で受け取れる制度です。

支給率は、所定給付日数の残り日数が3分の1以上なら60%、3分の2以上なら70%です。たとえば、基本手当日額が6,000円で残り60日分(支給率70%)なら、約25万円を一括で受け取れます。

詳しくは再就職手当とは【支給条件から支給額・手続きまで図で解説】をご覧ください。

2. 職業訓練で受給期間を延長する

失業保険の受給中に公共職業訓練を受けると、訓練期間が終了するまで失業保険の受給期間が延長されます。たとえば、所定給付日数が90日でも、6ヶ月の職業訓練を受ければ、訓練期間中(および訓練終了後の求職活動期間)も失業保険を受け取れます。

職業訓練は基本的に受講料無料(テキスト代などは自己負担)で、IT、介護、経理、webデザインなど様々なコースがあります。

詳しくは失業保険中に職業訓練を受ける場合のメリット、デメリットをご覧ください。

3. 専門実践教育訓練給付金を活用する

看護師、保育士、ITエンジニアなど専門的な資格を取得したい場合、専門実践教育訓練給付金を活用すると、受講費用の最大70%(年間上限56万円)の給付を受けられます。

さらに、一定の要件を満たせば「教育訓練支援給付金」として、失業保険の基本手当の80%相当額を受講期間中に受け取れる制度もあります。

詳しくは専門実践教育訓練について(600万円も得する制度)をご覧ください。

失業保険の注意点、知らないと損する3つのこと

1. すぐには受け取れない(特に自己都合退職)

自己都合退職の場合、待期期間(7日間)に加えて給付制限期間が原則1ヶ月あるため、手続きから約1ヶ月半〜2ヶ月後にようやく初回の振込があります。この間の生活費は自分で用意しておく必要があります。

2. 求職活動の実績が必要

失業保険を受け取るには、4週間ごとの認定日までに原則2回以上の求職活動実績を作る必要があります。具体的には、ハローワークでの職業相談、求人への応募、民間の転職サイトでのセミナー参加などが実績として認められます。

実績がないと、その期間の失業保険は支給されません。

3. 会社都合と自己都合で大きく違う

同じ年齢・同じ加入期間でも、退職理由が「会社都合」か「自己都合」かで受給期間が大きく変わります。

たとえば、45歳で雇用保険加入期間20年の場合、自己都合退職なら150日ですが、会社都合退職なら330日です。2倍以上の差があります。

退職理由に不満がある場合は、ハローワークで異議申し立てができます。

まとめ: 失業保険を正しく理解して賢く活用しよう

失業保険は、退職後の生活を支える重要な制度です。パートやアルバイトでも受給できますし、再就職手当や職業訓練などを活用すれば、さらにお得に受け取ることもできます。

押さえておくべきポイント:

  • 失業保険は自分で手続きしないと受け取れない
  • 受給額は給料の約50〜80%、ただし上限額あり
  • 自己都合退職は給付制限期間が原則1ヶ月ある(2025年4月改正)
  • 65歳未満は年金と併給できない
  • 再就職手当や職業訓練を活用すると得する
  • パート・アルバイトでも条件を満たせば受給可能

わからないことがあれば、ハローワークに相談しましょう。ハローワークは在職中でも利用できます。土曜開庁日があるハローワークもありますが、実施状況は地域によって異なるため、事前に公式情報で確認するのがおすすめです。

参考: 得する失業保険。仕事を辞めてもすぐに申請しない方がよい理由

よくある質問

Q1. パートやアルバイトでも失業保険はもらえる?

A. はい、もらえます。「週20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込み」で雇用保険に加入していれば、パートやアルバイトでも失業保険を受け取れます。給与明細に「雇用保険料」の天引きがあれば加入している証拠です。受給額は給料に応じて決まるため、月給10万円のパートなら月額約7.5万円程度受給できます。

Q2. 失業保険は毎月いくらもらえる?

A. 退職前6ヶ月間の平均賃金の約50〜80%です。具体的には、基本手当日額×28日(4週間分)が約4週間ごとに振り込まれます。たとえば30歳で月給30万円なら基本手当日額は約6,000円、28日分で約16.8万円が4週間ごとに振り込まれます。

Q3. 失業保険と年金は同時にもらえる?

A. 65歳未満の場合は併給できません。失業保険(基本手当)を受給している期間中は老齢厚生年金の支給が停止されます。どちらを受給するか選ぶ必要があり、多くの場合は失業保険の方が金額が大きいため失業保険を選びます。65歳以上の場合は、高年齢求職者給付金(一時金)と年金を同時に受給できます。

Q4. 自己都合退職だと失業保険はいつからもらえる?

A. 手続きから約1ヶ月半〜2ヶ月後です。自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて原則1ヶ月の給付制限期間(2025年4月改正で2ヶ月から短縮)があります。手続き後、最初の認定日(約4週間後)を経て、給付制限期間終了後に振り込まれるため、初回の振込は手続きから1ヶ月半以上先になります。

Q5. 失業保険をもらわずにパートで働いた方が得?

A. ケースバイケースです。失業保険を受給せずにすぐパートで働く場合、失業保険の受給資格は離職日の翌日から1年間(受給期間)有効ですが、働いている間は受給できません(受給期間延長の手続きをすれば最長4年間保持可能)。パート収入が基本手当日額より少ない場合は、失業保険を受給しながら週20時間未満のパートをする方が収入が多くなることもあります。また、早く再就職すれば再就職手当がもらえるため、一概にどちらが得とは言えません。

Q6. 失業保険の受給中にアルバイトはできる?

A. できますが、条件があります。目安として週20時間未満の範囲であれば、失業保険(基本手当)を受給しながら働けます(ただし収入額に応じて減額される場合があります)。また、1日4時間以上働いた日は、その日の基本手当が支給されない扱いになるのが一般的です。週20時間以上働くと「就職」とみなされ、失業保険はストップします。アルバイトをした日は必ずハローワークに申告する必要があります。無申告で働くと不正受給となり、失業保険の返還や倍返し(3倍返し)の罰金が科されます。具体的な扱いは管轄ハローワークで確認しましょう。

Q7. 再就職手当はどうすればもらえる?

A. 失業保険の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている状態で、安定した職業に就いた場合にもらえます。「安定した職業」とは、1年を超えて雇用される見込みがある仕事です。残り日数が3分の1以上あれば60%、3分の2以上あれば70%の再就職手当を一括で受け取れます。ただし、離職前の事業主に再雇用された場合や、待期期間中に就職した場合などは対象外となるため、事前にハローワークで確認しましょう。

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