雇用保険(失業保険)とは

失業保険の得する受け取り方(手続きから受け取りまで)

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ここでは失業保険の知識から手続き、受け取り方まで図をもとにわかりやすく説明していきます。
失業保険はわかりにくく、この制度を知らない方も大勢いるかと思います。

毎月給与から雇用保険料を引かれているのであれば、「パートやアルバイト」でも失業保険を受け取ることは可能です。知らないと損するのは自分自身。失業保険の得する受け取り方を学びましょう。

 

失業保険とは何か

失業保険とはその名の通り、失業した時に受け取れる保険のことです。
実際の正式名称は「雇用保険の失業給付」となりますが、わかりやすく失業保険として説明します。

保険料は私達が働いている時に「雇用保険料」として毎月給与から天引されています。
これは社会保険料や所得税等と同じ仕組みです。

雇用保険料は毎月の給与から天引される

雇用保険料は毎月引かれますが、その額は他の社会保険料などと較べて少なめです。
※個人負担分は給与のおよそ 0.3%~0.4% 程度(2019年度)

受給するための条件とは

失業保険を受け取るには、上記の雇用保険料を一定期間収めている必要があります。
会社都合退職の場合は半年以上、自己都合退職の場合は12ヶ月以上です。

以下の条件に満たない場合は、失業保険を受け取ることができません。

退職理由 加入期間 備考
会社都合退職 6ヶ月以上 ※正当な理由のある自己都合退職を含む
自己都合退職 12ヶ月以上

会社都合退職とは、会社の倒産や解雇などの理由で退職することです。それ以外にも正当な理由のある自己都合退職(怪我や病気、出産、身内の介護離職等)も含まれます。

自己都合退職とは、その名の通り自分の都合で退職することです。

どのような理由で退職したのか、その辞め方で失業保険の受け取る額や期間が異なります。
細かい内容については以下の記事をお読みください。

特定受給資格者と特定理由離職者とは(失業保険が優遇されます)

どれくらい受け取れるの

受け取れる金額や期間は年齢や雇用保険加入年数により異なります。
また会社都合退職か自己都合退職かでも大きく異なります。

受け取れる失業保険の金額について

一番簡単でわかりやすいのが、以下のサイトで給与額等を入力するやり方です。
1ヶ月の平均給与、年齢、雇用保険の加入年数を入力するだけで自動計算してくれます。

【2020年最新】失業保険の金額を計算(自動計算ツール)期間もわかります

おおよそですが、月額給与の5割~8割程度になります。

(例)30歳で月30万円の人は1日およそ6000円。月18万円程。
(例)40歳で月40万円の人は1日およそ6700円。月20万円程。
(例)月給10万円のパートの場合でも、雇用保険に加入していれば1日2700円程度、月では8万円程受け取ることができます。

上限額と下限額

年齢ごとに上限額と下限額が設けられています。
給料がたとえ月1000万円あったとしても、受け取れる上限額は決まっています。

年齢 上限額 下限額
30歳未満 6,755円 1,984円
30歳以上45歳未満 7,505円 1,984円
45歳以上60歳未満 8,260円 1,984円
60歳以上65歳未満 7,087円 1,984円

どれくらいの期間失業保険が受け取れるのか

退職理由や雇用保険加入期間によって大きく変わってきます。
自己都合退職より会社都合退職、雇用保険加入期間が長いほど多くの期間受け取ることができます。

会社都合退職、加入期間が長いほうが優遇される

→自己都合退職の場合は、90日~150日
→会社都合退職の場合は、90日~330日

(例)自己都合退職、30歳で加入期間5年の場合は90日間。
(例)会社都合退職、50歳で加入期間28年の場合は330日間。

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どこで手続きすればよいの

ハローワークで手続きをおこないます。

失業保険は自分で手続きをしないと受け取ることができません
会社を退職したら自動的に受け取れるという仕組みではないからです。

手続きは自身が住んでいる住所管轄のハローワーク(公共職業安定所)です。
手続きには以下のものが必要です。

失業保険手続きに必要なもの

    1.雇用保険被保険者離職票-1、雇用保険被保険者離職票-2
    2.個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票)
    3.本人確認ができるもの(運転免許証、マイナンバーカード、官公署が発行した自分証明証など。それ以外の方は公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など2種類)
    4.写真2枚(3cm×2.5cmの正面上半身のもの)
    5.印鑑
    6.本人名義の普通預金通帳又はキャッシュカード(ネット銀行は不可)

特に大事なものが「雇用保険被保険者離職票」です。雇用保険被保険者離職票は1と2の2枚あります。
この用紙は会社から送られてくるものなので、自分で用意する必要はありません。

退職して10日経っても届かない場合は、すぐに会社に連絡して確認しましょう。

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離職票が送られてこなくても、失業保険の仮手続ができます!

失業保険を受け取る際の注意点

会社都合退職は優遇され、自己都合退職は不利になる

会社の辞め方として「会社都合退職」と「自己都合退職」があります。
失業保険の制度として、仕方なく退職しなければならない「会社都合退職」が有利になります。これは制度の性質上あたりまえのことです。

同じ45歳で20年間勤めた会社を退職する場合、「自己都合退職では150日」、「会社都合退職では330日」と倍以上受け取る期間が異なります。

すぐに就職できれば良いのですが、年齢が高くなるほど就職活動は長期化します。
自身がどのような退職方法になるのか留意しましょう。

失業保険はすぐに受け取ることができない

失業保険は、手続きしてからすぐに受け取れるわけではありません。
会社都合退職の場合はおよそ1ヶ月後ですが、自己都合退職の場合はなんと4ヶ月後です。

4ヶ月待たなければならない理由は、自己都合退職は3ヶ月の給付制限期間があるからです。
手続きしても3ヶ月間は待たなければなりません。この3ヶ月というのは、再就職にかかるおおよその期間です。

自己都合退職で辞める場合は要注意です。

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失業保険の得する情報

職業訓練に通うことで多くのメリットを受けることができます。

職業訓練校や専門実践教育訓練を受けよう

職業訓練や専門実践教育訓練とは失業者向けの職業訓練制度です。
そこに通うことで大きなメリットがあります。

メリットとは、「職業訓練」や「専門実践教育訓練」期間が終了するまで失業保険を延長して受け取ることができることです。職業訓練で専門的な技術を学べ、さらにお金まで延長してもらえるのは大きなメリットになるでしょう。

ですが受けたい時に受けたい訓練があるわけではありませんし、受講する際は面接試験等に合格する必要があります。

職業訓練を希望している場合は、事前に情報収集することが大切です。

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専門実践教育訓練について(600万円も得する制度)

すぐに就職が決まっても再就職手当を受け取ることができる

失業保険をもらわずに再就職が決まった場合、なんだか損した気分になります。
ですが、その代りとして「再就職手当」を受け取ることができます。

一定の条件を満たしていれば、実際に受け取れる失業保険額の最高7割までを再就職手当として一括で受け取ることができます。決して損をするということはありません。

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まとめ

まずは失業保険のことを理解することが大切です。

今退職すれば、一体どれくらいの失業保険の額が受け取れるのかを把握することがとても大切。
そうすれば焦らずに再就職活動もできますし、職業訓練で学ぶという選択肢もでてきます。

わからないことがあれば近くのハローワークに相談しましょう。ハローワークは失業した時にだけ利用する場所ではありません。働いている時でもハローワークの利用(求職申込み)や就職相談、職業訓練相談、失業保険相談することは可能です。

平日だけでなく、土曜日も開庁しているところも多いので最寄りのハローワークに確認してみましょう。

得する失業保険。仕事を辞めてもすぐに申請しない方がよい理由

 

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