雇用保険(失業保険)の役立話

失業保険 すぐに働けない|延長の手続きとよくある質問

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退職したものの、病気やケガ、妊娠・出産などですぐに働けない状態で困っていませんか?

通常、失業保険(基本手当)は「すぐに働ける状態」であることが受給条件ですが、病気やケガ、妊娠・出産などですぐに働けない場合は、受給期間を最長4年間まで延長できる制度があります。

この手続きをしておけば、治療や育児が落ち着いて「働ける状態」になってから失業保険を受給できます。逆に、延長手続きをしないまま受給期間(原則1年)を過ぎると、給付日数が残っていても受給権が消滅するため注意が必要です。

結論として、退職後すぐに働けない場合は、(1)受給期間の延長申請を先に済ませる(2)働ける状態になったら速やかに求職申込(受給開始手続き)をする、この順番で動くのが安全です。

この記事では、受給期間延長の条件、手続き方法、タイミング、そして働けるようになった後の手続きまで、具体的に解説します。

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受給期間延長とは?

まず、受給期間延長制度について正確に理解しましょう。

通常の受給期間

失業保険の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。この1年間の中で、自分の給付日数(90日〜330日)を受け取る必要があります。

例えば、給付日数が150日の人の場合、離職日から1年以内に150日分の失業保険を受け取らなければなりません。1年を過ぎると、残りの給付日数があっても受給権が消滅します。

延長制度の内容

しかし、病気やケガ、妊娠・出産などですぐに働けない場合、受給期間を本来の1年間に加えて最長3年間延長でき、合計最長4年間とすることができます。

  • 通常の受給期間:1年間
  • 延長できる期間:最長3年間
  • 合計:最長4年間

この延長手続きをしておけば、治療が終わって働ける状態になってから失業保険の手続きをしても、給付日数を受け取ることができます。

受給期間延長ができるケース

受給期間延長ができるのは、以下のような「すぐに働けない正当な理由」がある場合です。

延長が認められるケース

  1. 病気やケガ:治療のため働けない状態が30日以上続く場合
  2. 妊娠・出産・育児:妊娠、出産、3歳未満の子の養育のため働けない場合
  3. 親族の介護:配偶者や両親などの介護のため働けない場合
  4. 配偶者の海外勤務への同行:配偶者が海外勤務を命じられ、海外へ同行する場合
  5. 公的機関の海外派遣:青年海外協力隊などの公的機関による海外派遣をされる場合
  6. 定年退職後の休養:60歳以上65歳未満の定年退職者がしばらく休養したい場合(※期間などが異なります)

これらの理由で働けない期間が30日以上ある場合、受給期間延長の対象となります。

退職理由は問わない

重要なポイントとして、退職理由は問いません

  • 病気を理由に退職した場合:対象
  • 退職後に病気になった場合:対象
  • 別の理由で退職したが、その後妊娠が判明した場合:対象

退職時には健康だったが、退職後に病気になったり妊娠が判明したりした場合でも、延長手続きは可能です。

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受給期間延長の手続き方法

延長手続きには、期限があります。申請が遅れると「受給開始が先送り」になるだけでなく、受給期間の残りが短くなって給付日数を受け切れない可能性もあるため注意が必要です。

手続きの期限

申請は「働けない状態になってから30日を経過した日の翌日」から可能(延長後の受給期間の最後の日まで申請可)ですが、手続き遅れを防ぐため「30日経過後の翌日から1ヶ月以内」を目安に申請することが推奨されています。

※ここでいう「30日を経過」は、開始日を1日目として数えるのではなく、「開始日から数えて30日が経過した日」を指します。カレンダー上は開始日から数えて31日目(その翌日から申請可能)のイメージです。

【例】退職日の翌日から病気で働けない場合
・3月31日:退職(離職日)
・4月1日:離職日の翌日(働けない状態の開始)
・5月1日:働けない状態から30日経過
・5月2日〜:申請可能期間開始

※以前は「30日経過後の翌日から1ヶ月以内」が厳格な期限として案内されることもありましたが、現在は緩和され、延長後の受給期間の最後の日まで申請可能です。ただし、申請が遅れるほど不利になりやすいので、やはり早めの手続きが安心です。

必要書類

  • 受給期間延長申請書(ハローワークで入手、またはハローワークのウェブサイトからダウンロード可能)
  • 雇用保険被保険者離職票-2(離職票-1は受給開始時に使用)
  • 延長理由を証明する書類(病気の場合は医師の診断書、妊娠の場合は母子手帳の写しなど)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 印鑑

手続き先

住所地を管轄するハローワークに提出します。郵送でも手続き可能です(代理人による提出も可能)。

病気で入院中など、ハローワークに行けない場合は、家族などに代理で提出してもらうか、郵送で手続きすることができます。

退職直後から働けない場合の注意点

退職直後から病気や妊娠で働けない場合、離職票が届く前でも「30日経過」のカウントは進みます

離職票は退職後10日〜2週間程度で届きますが、万が一遅れている場合でも、申請のタイミングを逃さないように「30日経過後の申請開始時期」を意識しておきましょう。

この場合の対応:

  1. 離職票が届く前に、ハローワークに相談する(必要書類や代替手段を確認)
  2. 離職票が届き次第、すぐに郵送で延長手続きを行う
  3. 必要に応じて、会社に離職票の早期発行を依頼する

定年退職後の休養の場合

定年退職後にしばらく休養したい場合は、通常の延長とは手続き期限が異なります。

定年退職後の延長の条件

  • 対象者:60歳以上65歳未満の定年退職者
  • 手続き期限:離職日の翌日から2ヶ月以内(※ここが通常の延長と大きく異なります)
  • 延長期間:最長1年間(受給期間は本来の1年+延長1年=合計2年間)

注意点として、離職時に65歳以上の人はこの制度での延長はできません(高年齢求職者給付金という一時金の対象になるため)。また、定年退職後に継続雇用されていた人が65歳になる前に退職した場合も対象になります。

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延長手続きをしないとどうなるか

延長手続きをしないまま、離職日から1年が経過すると、失業保険の受給権が消滅します。

失われるもの

  • 給付日数が残っていても、一切受給できなくなる
  • 治療後に働ける状態になっても、失業保険を受給できない
  • これまで納めてきた雇用保険料を、失業時の給付として活かせなくなる

例えば、給付日数150日の権利がある人でも、延長手続きをせずに1年が経過すると、150日分の失業保険を受け取る権利を失ってしまいます。

よくある失敗例

  • 「病気が治ってから手続きすればいい」と思っていたら、1年が経過していた
  • 延長手続きの存在を知らず、受給期間が過ぎてしまった
  • 離職票が届くのを待っていたら、申請のタイミングを逃した

これらの失敗を避けるため、退職後すぐに働けない場合は、早めにハローワークに相談することをおすすめします。

働けるようになったら失業保険の手続きを

病気が治ったり、出産・育児が落ち着いたりして働ける状態になったら、ハローワークで失業保険の受給手続きを行います。

受給開始の手続き

  1. 働ける状態になったことを確認:医師の診断書などで証明
  2. ハローワークで求職申込:離職票、受給期間延長通知書などを持参
  3. 待期期間7日間:失業状態であることを確認
  4. 雇用保険受給説明会に参加
  5. 失業認定を受ける:約4週間ごと
  6. 失業保険の受給開始

※「延長」はあくまで受給期間(1年→最長4年)を先に伸ばす手続きです。実際にお金が支給されるのは、働ける状態になってから求職申込をして、待期期間などを経た後になります。

給付制限について

自己都合退職の場合、通常は給付制限期間(2025年4月以降は原則1ヶ月)がありますが、延長後に受給を開始する場合も給付制限は適用されます

  • 会社都合退職:給付制限なし
  • 自己都合退職:待期7日+給付制限1ヶ月後に受給開始

※給付制限のカウントは「働ける状態になって求職申込をした後(受給資格決定後)」に進むため、延長期間中に自然に消化されるわけではありません。

延長期間の上限

受給期間は最長4年間まで延長できますが、どんな病気でも4年間いっぱいまで延長できるわけではありません

働ける状態になったら、その時点で速やかに受給手続きを行う必要があります。例えば、1年で病気が治った場合は、治った時点で手続きを行い、残りの延長期間は使わないことになります。

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受給中に働けなくなった場合

既に失業保険を受給中に、病気やケガで働けなくなった場合も、受給期間の延長ができます。

受給中の延長手続き

失業保険受給中(求職申込後)に働けない状態になった場合:

  • 15日未満:通常通り認定を受けられる(体調不良で求職活動ができない旨を申告し、扱いを確認)
  • 15日以上30日未満:雇用保険の「傷病手当」を請求可能(基本手当と同額支給)
  • 30日以上:受給期間延長の手続きが可能

※30日以上の場合は、傷病手当をもらい続けるか、受給期間延長をして将来受給するかを選択できます。治療が長引く場合は延長手続きの方が安全です。

まとめ:すぐに働けない場合の対応

退職後すぐに働けない場合の失業保険について、重要なポイントをまとめます。

  • 病気、ケガ、妊娠・出産などですぐに働けない場合、受給期間を最長4年間(本来1年+延長3年)まで延長できる
  • 延長申請は「働けない状態が30日続いた後の翌日」から可能(できるだけ早めに)
  • 定年退職後の休養の場合は、離職日の翌日から2ヶ月以内に手続きが必要
  • 延長手続きをしないと、離職日から1年で受給権が消滅する
  • 働ける状態になったら、速やかにハローワークで受給手続きを行う
  • 自己都合退職の場合、延長後でも原則1ヶ月の給付制限期間が適用される

退職後すぐに働けない場合でも、延長手続きをしておけば、働ける状態になってから失業保険を受給できます。期限や条件が複雑なため、退職後すぐに働けないことがわかった時点で、早めにハローワークに相談することをおすすめします。

よくある質問

退職後すぐに働けない場合、失業保険はもらえませんか?

すぐにはもらえませんが、受給期間延長の手続きをしておけば、働ける状態になってから失業保険を受給できます。延長手続きは、働けない状態になってから30日経過後の翌日以降に行う必要があります。

妊娠・出産で退職した場合、いつまで延長できますか?

最長4年間(本来の1年+延長3年)まで延長できます。ただし、実際に育児が落ち着いて働ける状態になったら、その時点で受給手続きを行う必要があります。4年間いっぱいまで延長できるわけではなく、働ける状態になったタイミングで手続きをします。

延長手続きの期限を過ぎてしまったらどうなりますか?

延長手続きができなくなり、通常通り離職日の翌日から1年間が受給期間となります。1年以内に働ける状態になれば失業保険を受給できますが、1年を過ぎると受給権が消滅し、一切受給できなくなります。期限を過ぎてしまった場合は、すぐにハローワークに相談してください。

延長手続きは郵送でもできますか?

はい、郵送でも手続き可能です。病気で入院中など、ハローワークに行けない場合は、郵送で延長申請書と必要書類を送付してください。また、家族などに代理で提出してもらうこともできます。

離職票が届く前に延長手続きの期限が来てしまいそうです

まずはハローワークに相談してください。申請期間は緩和されていますが、手続き遅れを防ぐためにも、離職票が届き次第すぐに郵送で手続きを行うか、必要に応じて会社に離職票の早期発行を依頼してください。

定年退職後の休養で延長する場合、いつまで延長できますか?

定年退職後の休養の場合、最長1年間の延長が可能です(受給期間は本来の1年と合わせて計2年)。手続き期限は離職日の翌日から2ヶ月以内で、対象は60歳以上65歳未満の定年退職者です。65歳以上で退職した人は延長できません。

働けるようになったら、どのタイミングで手続きをすればいいですか?

働ける状態になったら、できるだけ速やかにハローワークで受給手続きを行ってください。医師の診断書などで「働ける状態」であることを証明する必要があります。自己都合退職の場合は、待期7日間+給付制限(原則1ヶ月)後に受給が始まります。

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