最低賃金は毎年見直され、都道府県ごとに金額も発効日も異なります。2025年度(令和7年度)の改定では、全国加重平均が1121円となりました。
「自分の時給は最低賃金を下回っていないか」「2015年からどれだけ上がったのか」を確認したい方向けに、2015年(平成27年)と2025年度改定後(令和7年度)の都道府県別一覧とランキングをまとめます。
最低賃金は、正社員・契約社員・パート・アルバイトなど雇用されて働く人に広く適用されます。気づかないまま下回っているケースもあるため、定期的に確認しておくと安心です。
■目次
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2015年と2025年の最低賃金比較【全都道府県】
以下の表は、2015年(平成27年)と2025年度改定後の最低賃金(令和7年度)を比較したものです。令和7年度の発効日は、2025年10月〜2026年3月にかけて都道府県ごとに順次適用されます。
| 都道府県 | 2015年 (平成27年) |
2025年度改定後 (令和7年度) |
10年間の上昇額 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 764円 | 1075円 | +311円 |
| 青森 | 695円 | 1029円 | +334円 |
| 岩手 | 695円 | 1027円 | +332円 |
| 宮城 | 726円 | 1052円 | +326円 |
| 秋田 | 695円 | 1031円 | +336円 |
| 山形 | 696円 | 1029円 | +333円 |
| 福島 | 705円 | 1037円 | +332円 |
| 茨城 | 747円 | 1074円 | +327円 |
| 栃木 | 751円 | 1072円 | +321円 |
| 群馬 | 737円 | 1067円 | +330円 |
| 埼玉 | 820円 | 1141円 | +321円 |
| 千葉 | 817円 | 1140円 | +323円 |
| 東京 | 907円 | 1226円 | +319円 |
| 神奈川 | 905円 | 1225円 | +320円 |
| 新潟 | 731円 | 1064円 | +333円 |
| 富山 | 746円 | 1048円 | +302円 |
| 石川 | 735円 | 1050円 | +315円 |
| 福井 | 732円 | 1049円 | +317円 |
| 山梨 | 737円 | 1068円 | +331円 |
| 長野 | 746円 | 1046円 | +300円 |
| 岐阜 | 754円 | 1054円 | +300円 |
| 静岡 | 783円 | 1097円 | +314円 |
| 愛知 | 820円 | 1140円 | +320円 |
| 三重 | 771円 | 1087円 | +316円 |
| 滋賀 | 764円 | 1080円 | +316円 |
| 京都 | 807円 | 1122円 | +315円 |
| 大阪 | 858円 | 1177円 | +319円 |
| 兵庫 | 794円 | 1116円 | +322円 |
| 奈良 | 740円 | 1058円 | +318円 |
| 和歌山 | 731円 | 1048円 | +317円 |
| 鳥取 | 693円 | 1036円 | +343円 |
| 島根 | 696円 | 1030円 | +334円 |
| 岡山 | 735円 | 1056円 | +321円 |
| 広島 | 769円 | 1072円 | +303円 |
| 山口 | 731円 | 1048円 | +317円 |
| 徳島 | 695円 | 1041円 | +346円 |
| 香川 | 719円 | 1050円 | +331円 |
| 愛媛 | 696円 | 1025円 | +329円 |
| 高知 | 693円 | 1023円 | +330円 |
| 福岡 | 743円 | 1061円 | +318円 |
| 佐賀 | 694円 | 1027円 | +333円 |
| 長崎 | 694円 | 1027円 | +333円 |
| 熊本 | 694円 | 1026円 | +332円 |
| 大分 | 694円 | 1028円 | +334円 |
| 宮崎 | 693円 | 1023円 | +330円 |
| 鹿児島 | 694円 | 1026円 | +332円 |
| 沖縄 | 693円 | 1023円 | +330円 |
| 全国平均 | 798円 | 1121円 | +323円 |
10年間で全国平均は323円上昇しました。上昇額が大きかったのは徳島県の346円、最も小さかったのは長野県・岐阜県の300円です。
最低賃金ランキング【2025年度改定後】
2025年度改定後(令和7年度)の最低賃金を高い順に、上位10都府県をランキング形式で表示します。
| 順位 | 都道府県 | 最低賃金(時間額) |
|---|---|---|
| 1位 | 東京 | 1226円 |
| 2位 | 神奈川 | 1225円 |
| 3位 | 大阪 | 1177円 |
| 4位 | 埼玉 | 1141円 |
| 5位(同率) | 千葉 | 1140円 |
| 5位(同率) | 愛知 | 1140円 |
| 7位 | 京都 | 1122円 |
| 8位 | 兵庫 | 1116円 |
| 9位 | 静岡 | 1097円 |
| 10位 | 三重 | 1087円 |
東京都(1226円)と神奈川県(1225円)が突出し、大阪府(1177円)が続きます。物価や賃金水準が高い大都市圏ほど最低賃金が高い傾向があります。
一方、最も低いのは高知・宮崎・沖縄の1023円(同額)です。東京都との差は203円となります。
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最低賃金が適用される時期
最低賃金の改定は毎年行われますが、発効日(いつから新しい金額になるか)は都道府県ごとに違います。令和7年度は、2025年10月〜2026年3月にかけて順次発効します。
2026年2月時点では、発効日が2026年3月の都道府県はまだ旧額の可能性があります。勤務日がどの金額に当たるかは、発効日を必ず確認してください。
給与への反映タイミングは「発効日」だけでなく、会社の締め日・支給日にも左右されます。たとえば発効日が10月上旬の場合、10月分の給与(11月支給)から反映されるケースが多い一方、発効日が遅い都道府県では、反映月も後ろにずれることがあります。
自分の地域の発効日は、厚生労働省の一覧や各都道府県労働局の公表資料で確認できます。
最低賃金を下回っている場合は違法
最低賃金を下回る賃金で働かせることは、原則として法律違反です。雇用されて働く人であれば、正社員・契約社員・パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず最低賃金が適用されます。
たとえば、秋田県で1日8時間の仕事をした場合、最低賃金が1031円なら1日あたり8,248円が目安です。仮に日給が7,000円だとすれば、最低賃金を下回っている可能性があります。
最低賃金を下回っているかどうかは、「時給換算」で確認できます。計算方法は次の章で説明します。
最低賃金の減額特例が認められるケース
最低賃金には特例があり、都道府県労働局長の許可を受けた場合のみ、以下の労働者については最大20%(2割)の減額が認められます。
- 精神または身体の障害により著しく労働能力の低い方
- 試用期間中の方(最長6ヶ月まで)
- 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方
- 軽易な業務に従事する方
- 断続的労働に従事する方
ただし、これは都道府県労働局長の許可を受けている場合に限ります。許可がないのに最低賃金を下回ることは法律違反です。
最低賃金が改定されても、時給が据え置きのままになっているケースもあります。勤務先の時給を、年に一度は見直しておきましょう。
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最低賃金の計算方法
自分の給与が最低賃金を下回っていないか確認するには、給与を「時給換算」します。
注意点として、最低賃金との比較では通勤手当・賞与(ボーナス)・残業代(割増賃金)などは、原則として計算に入れない扱いです。手当が多い場合は、労働局の説明資料に沿って計算すると確実です。
時給制の場合
時給制の場合はシンプルです。時給が勤務地の最低賃金以上であれば問題ありません。
例:東京都で時給1150円のアルバイト
東京都の最低賃金は1226円なので、時給1150円のままだと最低賃金を下回ります。勤務先に確認しましょう。
月給制の場合
月給制の場合は、以下の計算式で時給換算します。
時給換算 = 月給 ÷(1日の所定労働時間 × 月の所定労働日数)
例:東京都で月給18万円、1日8時間、月20日勤務の場合
180,000円 ÷(8時間 × 20日)= 1,125円
東京都の最低賃金(1226円)を下回るため、最低賃金違反となる可能性があります。
日給制の場合
時給換算 = 日給 ÷ 1日の所定労働時間
例:大阪府で日給8,000円、1日8時間勤務の場合
8,000円 ÷ 8時間 = 1,000円
大阪府の最低賃金(1177円)を下回るため、最低賃金違反となる可能性があります。
最低賃金と失業保険の関係
最低賃金を下回る給与で働いている場合、失業保険(基本手当)の受給額にも影響します。基本手当は、原則として離職日前6ヶ月に支払われた賃金(賞与等を除く)をもとに「賃金日額」を算出し、そこから決まるためです。
給与が低い状態が続くと、いざ離職したときの基本手当も低くなります。現在の収入だけでなく、将来の保障の面でも、最低賃金を下回っていないか確認しておく価値があります。
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最低賃金の対象外になるのは「雇用ではない契約」
最低賃金が適用されるかどうかは、基本的に「雇用されて働いているか(労働者かどうか)」で決まります。雇用関係がない場合は、最低賃金の対象外です。
- 業務委託契約(フリーランス)
- 請負契約
これらは雇用関係がなく、仕事の成果や業務完了に対して報酬が支払われる仕組みです。
一方で、雇用契約で働いている場合は、歩合給・出来高払いなどの賃金体系であっても、最低賃金の対象になります。契約名だけで判断せず、実態で確認してください。
まとめ
2025年度改定(令和7年度)では、全国平均の最低賃金は1121円となり、2015年(798円)と比べて10年間で323円上昇しました。
最も高いのは東京都の1226円、最も低いのは高知・宮崎・沖縄の1023円(同額)です。都道府県で差があるため、働いている地域の金額を必ず確認しましょう。
もし最低賃金を下回っている疑いがある場合は、勤務先に確認し、それでも解決しないときは労働基準監督署や各都道府県労働局の相談窓口を利用できます。
よくある質問
最低賃金はいつから適用されますか?
令和7年度は、都道府県ごとに2025年10月〜2026年3月にかけて順次発効します。給与への反映は、会社の締め日・支給日によって前後します。
試用期間中は最低賃金より低くてもいいですか?
原則として試用期間中でも最低賃金以上を支払わなければなりません。ただし、都道府県労働局長の許可を受けた場合のみ、最大20%(2割)の減額が認められます。許可がない場合は違法です。
パートやアルバイトにも最低賃金は適用されますか?
はい、適用されます。最低賃金は正社員、契約社員、パート、アルバイトなど、雇用されて働く人に適用されます。
最低賃金を下回っている場合、どこに相談すればいいですか?
労働基準監督署や、各都道府県労働局の相談窓口に相談できます。匿名で相談できる場合もあります。
地方と都市部で最低賃金に差があるのはなぜですか?
最低賃金は各都道府県の経済状況、物価水準、企業の賃金支払能力などを考慮して決定されます。物価や賃金水準が高い地域ほど、最低賃金も高くなりやすい傾向があります。
最低賃金1000円の時代はいつ来ますか?
2025年度改定(令和7年度)では、最低額でも1023円(高知・宮崎・沖縄)となり、すべての都道府県で最低賃金が1000円を超えています。
業務委託やフリーランスには最低賃金は適用されないのですか?
一般に、業務委託や請負など雇用関係がない契約には最低賃金は適用されません。ただし、契約名が業務委託でも、実態として雇用に当たる場合は最低賃金の対象になることがあります。