雇用保険(失業保険)とは

失業保険をもらえる人・もらえない人|条件を図でわかりやすく解説【2026年版】

更新日:

失業保険(雇用保険の基本手当)は、誰でももらえるわけではありません。もらえる人・もらえない人には明確な条件があり、退職理由によって必要な加入期間も異なります。

この記事では、失業保険をもらえる条件ともらえない条件を具体的に解説します。自分が対象になるかどうか、すぐに判断できる内容になっています。

■目次

スポンサーリンク

失業保険をもらえる人の条件【結論】

失業保険をもらえるかどうかは、以下の2つの条件で決まります。

失業保険をもらえる人もらえない人

ポイントは「退職理由で必要な加入期間が変わる」ことです。まずは自分がどちらに近いかを確認してください。

会社都合退職の場合:過去1年間に6か月以上の加入

会社都合退職とは、倒産・リストラ・解雇などで退職した場合です。これらに準ずる事情(契約更新を希望したのに更新されなかった等)も含め、ハローワークで「会社都合(または同等の扱い)」と判断された場合は、離職日以前の1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算6か月以上あればOKです。

被保険者期間のカウント方法は、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月(または労働時間が80時間以上ある月)を1か月として数えます。

自己都合退職の場合:過去2年間に12か月以上の加入

自己都合退職とは、会社都合以外の理由で退職した場合です。転職、家庭の事情、自分の判断で辞めた場合などが該当します。この場合、離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です。

つまり、1年間フルタイムで働いていた方なら、会社都合・自己都合どちらでも失業保険の対象になります(※退職理由の区分はハローワークの最終判断です)。

雇用保険の加入要件(前提条件)

失業保険をもらうには、そもそも雇用保険に加入している必要があります。雇用保険の加入要件は次の2つです。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 同一の事業所に継続して31日以上雇用される見込みがあること

この2つを満たしていれば、正社員だけでなく、パート・アルバイト・派遣社員・契約社員も雇用保険に加入できます。給与明細で雇用保険料が引かれているかを確認してください(保険料は年度の料率や賃金により変動します)。

失業保険をもらえない人の条件

失業保険をもらえない人は、大きく分けて次の3パターンです。

1. 雇用保険に加入していない(加入要件を満たしていない)

以下に該当する人は、そもそも雇用保険に加入できません。

  • 週の所定労働時間が20時間未満の人
  • 同一の事業所に31日以上雇用される見込みがない人
  • 学校教育法に定める学校の昼間学生(定時制・通信制を除く)
  • 季節的に雇用される人で、4か月以内の期間を定めて雇用される人、または週の所定労働時間が30時間未満の人

昼間の大学生・高校生がアルバイトをしている場合、たとえ週20時間以上働いていても雇用保険には加入できません。ただし、卒業見込証明書を持って就職している場合や、休学中の学生は加入できるケースもあります。

2. 雇用保険には加入していたが、加入期間が足りない

雇用保険に加入していても、以下のケースでは失業保険をもらえません。

  • 自己都合退職で、過去2年間の加入期間が12か月未満の人
  • 会社都合退職で、過去1年間の加入期間が6か月未満の人

たとえば、入社して5か月で自己都合退職した場合は、加入期間が足りないため失業保険はもらえません。

ただし、病気・ケガ・妊娠・出産・育児・親族の介護などで退職した場合は、退職前の2年間を最大4年間まで延長して計算できる特例があります。詳しくはハローワークで確認してください。

3. 失業状態にない(働く意思・能力がない)

失業保険は「働きたいのに仕事が見つからない人」を支援する制度です。次のような場合は、たとえ雇用保険に加入していても失業保険はもらえません。

  • すでに次の就職先が決まっている
  • 自営業・フリーランスを始めた(開業届を出している場合は不可)
  • 家事に専念するため働く意思がない
  • 学業に専念するため働けない
  • 病気・ケガで働けない状態

なお、病気・ケガ・妊娠・出産などで働けない場合は、受給期間を延長できる制度があります。退職後30日経過後から、最長3年間(元の1年間と合わせて最長4年間)延長可能です。体調が回復してから失業保険を受け取ることができます。

スポンサーリンク

雇用保険の被保険者の種類

雇用保険には、働き方や年齢によって4つの種類があります。自分がどの被保険者に該当するかを知っておくと、手続きの際に役立ちます。

一般被保険者

正社員、非正規社員、派遣労働者、アルバイト、パートの人が該当します。以下の2〜4に該当しない人は、すべて一般被保険者です。

高年齢被保険者

65歳以上で働いている人が該当します。かつては65歳前から雇用されている人だけが対象でしたが、平成29年1月の法改正により、新たに65歳以降で働き始めた人も対象になりました。

短期雇用特例被保険者

季節的に雇用される人が対象です。スキー場のスタッフ、出稼ぎの建築・土木作業員など、1年未満の短期間だけ働くことを繰り返す人が該当します。

日雇労働被保険者

日雇い労働者、または30日以内の期間を定めて雇用される人が該当します。意外と知られていませんが、日雇いでも失業保険の対象になります。

育休・産休と失業保険の関係

出産・育児で退職した場合、失業保険との関係について疑問を持つ方が多くいます。ここでは、よくあるケースごとに整理します。

育休中に退職した場合

育休中に退職した場合、育児休業給付金の受給が終了します。その後、失業保険を受けることは可能ですが、すぐに働けない状態(育児に専念する)であれば、失業保険はもらえません。

ただし、受給期間の延長手続きをしておけば、育児が落ち着いて働けるようになったタイミングで失業保険を受け取ることができます。

受給期間の延長手続きは、退職日の翌日から30日経過後に行います。延長は最長3年間まで可能で、原則の受給期間(離職日の翌日から1年間)と合わせると、最長で離職日の翌日から4年以内まで失業保険を受け取れる期限を延ばすことができます。延長は自動ではないため、出産・育児で離職した方は、必ずハローワークで申請手続きを行っておきましょう。

産休・育休後に退職して、すぐに働けない場合

退職後に子育てに専念する場合は、働く意思・能力がないとみなされるため、すぐには失業保険をもらえません。しかし、受給期間を延長しておけば、子育てが落ち着いてから失業保険を受給できます。

育休手当(育児休業給付金)と失業手当は別物

育休手当(育児休業給付金)と失業手当(失業保険)は、まったく別の制度です。育休中に育児休業給付金をもらっていても、退職後に失業保険を受ける権利には影響しません。ただし、両方を同時にもらうことはできません。

スポンサーリンク

失業保険はいつもらえるのか

失業保険がいつ振り込まれるかは、退職理由によって大きく異なります。

なお、「何日(何か月)もらえるか(所定給付日数)」は加入期間や退職理由等で別に決まります。この記事では「もらえる条件」と「いつ振り込まれるか」を中心に解説します。

(参考)失業保険のもらえる期間は?
(参考)失業保険の金額を計算(自動計算ツール)

会社都合退職の場合

会社都合退職の場合、ハローワークで受給資格決定を受けた日から7日間の待期期間を経た後、すぐに受給が始まります。実際に振り込まれるのは、最初の認定日(約4週間後)の約1週間後です。つまり、手続きから約1か月後に初回の振り込みがあります。

自己都合退職の場合

自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて、1か月間の給付制限期間があります。そのため、手続きから約2か月後に初回の振り込みとなります。

かつては給付制限期間が2か月間でしたが、2025年4月1日の法改正により1か月間に短縮されました。ただし、5年間で3回目以降の自己都合退職の場合は、給付制限期間が3か月間になります。

やむを得ない理由での退職は給付制限なし

自己都合退職でも、以下のような「やむを得ない理由」がある場合は、給付制限期間なしで受給できる可能性があります。

  • 病気・ケガで働けなくなった
  • 家族の介護が必要になった
  • 配偶者の転勤で通勤が困難になった
  • 長時間労働(月45時間超の時間外労働が3か月連続、または月100時間超の時間外労働が1か月)
  • 賃金の大幅な減額(85%未満に低下)
  • ハラスメント被害

ただし、これらは「給付制限がかからない扱い(特定理由離職者など)」として認定されるかどうかが重要で、必ず給付制限がなくなる・必ず会社都合になるという意味ではありません。認定はハローワーク判断になるため、該当しそうな場合は証明書類を持って相談してください。

失業保険を受けるまでの流れ

失業保険を受けるまでの基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 退職時に会社から離職票を受け取る(退職後10日程度で郵送されることが多い)
  2. 離職票をハローワークに持参し、求職申し込みと受給資格の申請を行う
  3. 受給資格決定後、7日間の待期期間が始まる
  4. 雇用保険説明会に参加する(初回認定日前に実施)
  5. 初回認定日にハローワークで失業の認定を受ける(約4週間後)
  6. 認定日の約1週間後に、指定口座に失業保険が振り込まれる
  7. 以降、原則4週間に1回の認定日にハローワークで失業認定を受け、給付を受ける

自己都合退職の場合は、上記の流れに加えて、待期期間終了後に1か月間の給付制限期間があります。

スポンサーリンク

まとめ

失業保険をもらえるかどうかは、雇用保険の加入期間と退職理由、そして働く意思・能力があるかで決まります。会社都合なら過去1年間に6か月以上、自己都合なら過去2年間に12か月以上の加入が必要です。

雇用保険に加入していても、週20時間未満の勤務や学生アルバイトは対象外です。また、病気や育児で働けない場合はすぐには受給できませんが、受給期間を最長3年間延長できる制度があります。

自分が失業保険の対象になるか不安な場合は、給与明細で雇用保険料が引かれているかを確認し、離職票を持ってハローワークに相談してください。正確な判断をしてもらえます。

よくある質問

Q1. 雇用保険に1年間加入していれば、誰でも失業保険をもらえますか?

A. もらえるとは限りません。自己都合退職の場合は原則として離職日以前2年間に12か月以上の加入が必要です。会社都合(または同等の扱い)と判断された場合は離職日以前1年間に6か月以上の加入があれば受給資格を満たします。また、雇用保険に加入していても働く意思・能力がない場合は失業保険をもらえません。

Q2. パート・アルバイトでも失業保険はもらえますか?

A. もらえます。週20時間以上、31日以上の雇用見込みがあれば雇用保険に加入できます。加入期間の条件(自己都合12か月、会社都合6か月)を満たしていれば正社員と同じように失業保険を受給できます。

Q3. 前の会社の雇用保険加入期間は、次の失業保険に使えますか?

A. 前の会社を退職してから次の会社に就職するまでの期間が1年以内であれば前後の加入期間を合算できます。ただし前の会社で失業保険を受給した場合は受給後の加入期間だけがカウントされます。

Q4. 失業保険の手続きをしたら、雇用保険の加入期間はリセットされますか?

A. 手続きしただけではリセットされません。実際に失業保険を受給(給付を受け取る)した場合にリセットされます。受給資格の決定を受けても給付を受けずに再就職した場合は加入期間は通算されます。

Q5. 病気で働けない場合、失業保険はもらえませんか?

A. すぐには失業保険をもらえませんが、受給期間の延長手続きをしておけば病気が治って働けるようになったときに失業保険を受け取れます。延長は最長3年間可能で退職日の翌日から30日経過後に手続きできます。

Q6. 65歳以上でも失業保険はもらえますか?

A. もらえます。65歳以上の方は高年齢被保険者として雇用保険に加入でき、失業した場合は高年齢求職者給付金を一時金として受け取れます。平成29年1月以降、65歳以降に新たに雇用された方も対象です。

Q7. 失業保険をもらいながらアルバイトはできますか?

A. できます。ただし週20時間以上働くと就職とみなされ失業保険の受給が終了します。また週20時間未満でも1日4時間以上働いた日は失業保険の給付が先送りになります(減額ではなく後日支給)。アルバイトをする場合は必ずハローワークに申告してください。

-雇用保険(失業保険)とは
-,