退職した直後、「まず何をすればいいのか」「どんな順番で手続きすればいいのか」と不安になりますよね。特に初めて失業保険を受ける場合、ハローワークでの手続きがよくわからず戸惑う人も多いはずです。
この記事では、退職後に必ずやるべきことを時系列で整理し、失業保険の手続きから受給までの流れ、ハローワークの活用方法まで、実際に迷わないように詳しく解説します。
特に重要なのは手続きのタイミングです。離職票が届いてから手続きが遅れると、その分だけ受給開始も遅れてしまいます。スムーズに失業保険を受け取るために、まずは全体の流れを把握しましょう。

■目次
退職後の手続き、最初にやるべき3つのこと
退職したら、以下の3つを順番に進めていきます。どれも失業保険の受給や今後の生活に直結する重要な手続きです。
1. 離職票の受け取りと確認
2. ハローワークで失業保険の手続き
3. 求職活動とキャリアアップの検討
この3つをしっかり押さえておけば、失業保険を確実に受け取りながら、次の就職に向けた準備も進められます。それでは、それぞれの手続きを詳しく見ていきましょう。
なお、妊娠・出産・育児、病気やケガなどで「すぐに働けない(求職活動を始められない)」期間が30日以上続く場合は、受給期間の延長手続きが関係してきます。状況によって対応が変わるため、該当しそうな方は早めにハローワークで相談してください(本文後半でも触れます)。
離職票はいつ届く? 受け取ったら必ず確認すべきこと
離職票が届くまでの期間
退職後、まず待つことになるのが離職票です。離職票は、会社が退職手続きをハローワークで行った後、本人宛に郵送される書類です。
一般的には退職後10日〜2週間程度で届きますが、会社の事務処理が遅れると3週間以上かかることもあります。退職時に会社へ「離職票はいつ頃送ってもらえますか?」と確認しておくと安心です。
もし退職から2週間以上経っても離職票が届かない場合は、会社に連絡して状況を確認しましょう。どうしても発行してもらえない場合は、ハローワークに相談すれば対応してもらえます。
離職票で必ず確認すべきポイント
離職票が届いたら、ハローワークへ行く前に以下の3点を必ず確認してください。
① 退職理由が正しく記載されているか
「会社都合」なのか「自己都合」なのか、ここが最も重要です。退職理由によって給付開始時期が大きく変わるため、もし記載内容が実態と違う場合は、ハローワークで異議申し立てができます。
② 賃金額が正しいか
離職票には過去6ヶ月分の賃金が記載されています。この金額を元に失業保険の基本手当日額が決まるため、給与明細と照らし合わせて確認しましょう。
③ 勤務日数に間違いがないか
受給資格を満たすには「離職日以前2年間のうち、雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上」が原則です。特に転職経験がある人や、短期間で退職した人は要注意です。
ハローワークでの失業保険手続き、持ち物と流れ
手続きに必要な持ち物
ハローワークで失業保険の手続きをする際は、以下のものを必ず持参してください。
- 離職票(1と2の両方)
- マイナンバーカード(ない場合は、マイナンバー通知カード+身分証明書)
- 証明写真2枚(縦3cm×横2.5cm ※マイナンバーカード提示等で省略可能な場合あり)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 印鑑(認印でOK、シャチハタ不可)
詳しい持ち物については、失業保険の手続きに必要なものでも解説しています。
手続き当日の流れ
ハローワークでの手続きは、以下のような流れで進みます。
STEP1: 求職申込
まずは求職申込書を記入します(事前にハローワークインターネットサービスで仮登録しておくとスムーズです)。希望する職種や勤務地、労働条件などを記入しますが、この段階では「とりあえず」で大丈夫です。後から変更できます。
STEP2: 離職票の提出と受給資格の確認
窓口で離職票を提出し、雇用保険の受給資格があるかどうかを確認します。ここで受給資格が確認されれば、「受給資格者のしおり」を受け取ります。
STEP3: 雇用保険説明会の日程確認
手続きから約1週間〜2週間後に開催される「雇用保険説明会」の日時が指定されます(動画視聴で代替される場合もあります)。この説明会は必ず出席する必要があります。
失業保険はいつから、いくらもらえる?
受給開始までの期間(2026年1月時点)
失業保険が実際に振り込まれるまでの期間は、退職理由によって大きく異なります。
会社都合退職の場合
ハローワークでの手続き完了から約1ヶ月後に初回の振込があります。具体的には、7日間の待期期間を経て、最初の失業認定日(通常は手続きから約4週間後)の数日〜1週間後に振り込まれます。
自己都合退職の場合(2025年4月改正)
2025年4月から、自己都合退職の給付制限期間が「2ヶ月」から「原則1ヶ月」に短縮されました。そのため、手続き完了から約1ヶ月半〜2ヶ月後に初回の振込となります。
ここで誤解されやすいのが「給付制限が1ヶ月なら、1ヶ月後に振り込まれるのでは?」という点です。実際には待期7日や認定日(4週間ごと)のスケジュールがあるため、給付制限が短縮されても振込はもう少し先になるのが一般的です。
詳しい受給期間や金額については、雇用保険(失業保険)はいつまでもらえるの?で解説しています。
よくある誤解: 「転職したら期間がリセットされる」は間違い
転職経験がある人から「前の会社の雇用保険期間は引き継げないんですよね?」という質問をよく受けますが、これは誤解です。
前職を辞めてから1年以内に次の会社で雇用保険に加入していれば、雇用保険の加入期間は通算されます。ただし、前職で失業保険を実際に受給してしまうと、そこでリセットされます。手続きだけして受給しなければ、期間は引き継がれます。
失業認定は何回行く? 認定日の仕組み
4週間に1度の失業認定
失業保険を受け取るには、原則として4週間に1度、ハローワークで「失業認定」を受ける必要があります。
失業認定とは、「この4週間、確かに失業状態だったか」「求職活動をしたか」を確認する手続きです。認定を受けないと、その期間の失業保険は支給されません。
認定日は原則として変更できませんが、病気や冠婚葬祭などやむを得ない理由がある場合は、事前に相談すれば日程変更が可能です。
また、受給中にアルバイト・内職・手伝いなどをした場合は、必ず認定申告書で申告します。「4時間未満なら得」「4時間ぴったりなら大丈夫」といった情報が出回りがちですが、実際の扱いは次のように整理すると理解しやすいです。
- 1日4時間以上(4時間ちょうどを含む)働いた日:その日の基本手当は支給されず、後ろに繰り越し(先送り)になる扱いが一般的です。
- 1日4時間未満働いた日:基本手当は支給対象になり得ますが、収入額に応じて減額されたり、場合によっては繰り越し扱いになることがあります。
特に待期期間の7日間は「完全な失業状態」であることが前提のため、原則として働かないほうが安全です(どうしても働く必要がある場合は、必ず事前にハローワークへ確認してください)。
給付期間中、合計で何回ハローワークに行くのか
給付期間によって異なりますが、例えば90日間の給付を受ける場合、失業認定は約3〜4回が目安です(初回手続き+雇用保険説明会を含めると、合計5〜7回程度の来所が必要になることがあります)。
自己都合退職で給付制限期間がある場合でも、認定日は4週間ごとに設定されます。給付制限中も認定を受ける必要があるため、忘れずに来所しましょう。
ハローワークで求職活動、具体的に何ができる?
全国100万件以上の求人から仕事を探せる
ハローワークには、フルタイムとパートタイムを合わせて全国規模で多数の求人が登録されています(求人の件数は時期によって増減します)。これほど多くの求人が無料で検索できる場所は他にありません。
求人検索は、ハローワーク内の検索機だけでなく、自宅からインターネットでも利用可能です。ハローワーク内の検索機は随時更新されますが、インターネット版は毎朝1回の更新となります。
ハローワークカードの発行と活用
求職申込をすると「ハローワークカード」が発行されます。このカードは全国どこのハローワークでも使え、求人の紹介状を受け取る際に必要です。
ハローワークの求人に応募する場合は、必ず窓口で紹介状を発行してもらってください。紹介状なしでは応募できません。
若者向け、女性向けのハローワークも活用しよう
通常のハローワーク以外にも、専門的な支援を行う施設があります。
- ジョブカフェ・若者ハローワーク: おおむね34歳以下の若者向け。キャリアカウンセリングや職業訓練の情報提供が充実
- マザーズハローワーク・マザーズコーナー: 子育て中の女性向け。保育園情報や短時間勤務の求人が豊富
これらの施設も無料で利用できるので、自分に合った施設を活用しましょう。
職業訓練でスキルアップ、無料で資格取得も可能
職業訓練は原則無料、失業保険を受けながら通える
未経験の職種に挑戦したい場合や、資格を取得してキャリアアップしたい場合に有効なのが職業訓練です。
職業訓練は、ほとんどのコースが受講料無料(テキスト代など実費は自己負担)で、失業保険を受給しながら通えます。さらに、ハローワークから「受講指示」を受ければ、交通費の支給や失業保険の延長も可能です。
受講指示を受けるメリット
「受講指示」とは、ハローワークが「この訓練はあなたの就職に役立つ」と認めて出す指示のことです。受講指示を受けると、以下のメリットがあります。
- 訓練期間中、失業保険の給付が延長される
- 交通費が支給される
- 訓練修了後も一定期間、給付が延長される場合がある
ただし、職業訓練には入校選考(筆記試験や面接)があり、人気のコースは倍率が高くなります。早めに情報収集して、計画的に準備しましょう。
受講指示について詳しくは、職業訓練の「受講指示」「受講推薦」「支援指示」についてを参照してください。
教育訓練給付金も活用しよう
職業訓練以外にも、民間のスクールや専門学校で学びたい場合は「教育訓練給付金」を利用できます。
教育訓練給付金には2種類あります。
- 一般教育訓練給付金: かかった費用の20%(上限10万円)を支給
- 専門実践教育訓練給付金: 受講費用の50%(年間上限40万円)を支給。さらに資格取得等をすれば追加で20%(合計70%、年間上限56万円)が支給されます。
特に専門実践教育訓練は支給額が大きいため、看護師や保育士など国家資格を目指す人には大きなメリットがあります。詳しくは教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金を学ぼうをご覧ください。
また、妊娠・出産・育児などで「今すぐ求職活動ができない」場合は、無理に受給手続きを進めるより、受給期間の延長を先に検討したほうが迷いが減ります。離職後の受給期間は原則1年間ですが、条件に該当すると最長4年まで延長できる仕組みがあります。該当の有無や手続きのタイミングは状況で変わるため、必ずハローワークで確認してください。
まとめ: 退職したらまずハローワークへ
退職後、最初にやるべきことは以下の3つです。
- 離職票を受け取り、内容を確認する
- ハローワークで失業保険の手続きを行う
- 求職活動を開始し、必要に応じて職業訓練やキャリアアップを検討する
特に失業保険の手続きは、遅れるとその分だけ受給開始も遅れてしまいます。離職票が届いたら、できるだけ早くハローワークへ行きましょう。
ただし、妊娠・出産・育児や病気などで「すぐに働けない」場合は、受給手続きの進め方が変わることがあります。自己判断で進めず、早めにハローワークへ相談してください。
ハローワークは求人検索だけでなく、就職相談やセミナー、職業訓練の情報など、再就職に役立つ情報が豊富に揃っています。無料で利用できるので、積極的に活用して次のステップへ進んでいきましょう。
よくある質問
Q1. 離職票が届かない場合、どうすればいい?
A. 退職から2週間以上経っても離職票が届かない場合は、まず会社に連絡して発行状況を確認してください。それでも対応してもらえない場合は、住所地を管轄するハローワークに相談すれば、ハローワークから会社へ催促してもらえます。離職票がなくても、一定の条件を満たせば仮手続きができる場合もあるので、早めにハローワークへ相談しましょう。
Q2. 自己都合退職でも、すぐに失業保険をもらえるケースはある?
A. あります。「正当な理由のある自己都合退職」と認められれば、会社都合退職と同じく給付制限期間なしで受給できます。具体的には、通勤が困難になった場合(会社の移転、引越しなど)、家族の介護が必要になった場合、妊娠・出産などです。また、2025年4月からは、自分で教育訓練を受けた場合などに給付制限が解除される仕組みも導入されています。該当する可能性がある場合は、ハローワークで相談してください。
Q3. 失業認定日に行けない場合はどうなる?
A. 指定された認定日に来所できないと、その認定日当日までの期間は失業の認定を受けられず、基本手当も支給されません。ただし、病気や冠婚葬祭など「やむを得ない理由」がある場合は、事前にハローワークへ連絡すれば認定日の変更が可能です。
また、やむを得ない理由でなくても、来所できなかった認定日の次の認定日の前日までに給付窓口へ申し出れば、その後の扱いについて案内されることがあります。無断で放置すると不認定期間が広がる可能性があるため、「行けない」と分かった時点で必ず連絡してください。
Q4. ハローワークの求人は、どこのハローワークでも応募できる?
A. できます。ハローワークカードは全国共通なので、どこのハローワークでも求人検索や紹介状の発行が可能です。たとえば、東京に住んでいて大阪の求人に応募する場合も、最寄りのハローワークで紹介状を発行してもらえます。ただし、失業保険の手続きや認定は、原則として住所地を管轄するハローワークで行う必要があります。
Q5. 職業訓練の受講指示を受けるには、どうすればいい?
A. 受講指示を受けるには、ハローワークの窓口で「この訓練を受けたい」と相談し、キャリアコンサルティングを受ける必要があります。その上で、ハローワークが「この訓練があなたの就職に有効」と判断すれば受講指示が出ます。ただし、訓練内容と希望職種が一致していることや、本気で就職を目指していることが前提です。形だけの受講希望では指示は出ません。
Q6. 雇用保険に1年しか加入していない場合、失業保険はもらえない?
A. いいえ、もらえます。原則として「離職日以前2年間のうち、雇用保険の加入期間が通算12ヶ月以上」あれば受給資格があります。ただし会社都合退職や特定理由離職者の場合は、「離職日以前1年間のうち、通算6ヶ月以上」で受給資格が認められます。転職経験がある場合は、前職の加入期間も通算されるため、まずはハローワークで確認してみましょう。
Q7. 失業保険の手続きは、退職後すぐに行かないとダメ?
A. すぐに行く必要はありませんが、手続きが遅れるとその分だけ受給開始も遅れます。失業保険の受給期間は「離職日の翌日から1年間」と決まっているため、手続きを先延ばしにすると、本来もらえる日数分を受け取れなくなる可能性があります。離職票が届いたら、できるだけ早く手続きすることをおすすめします。