失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職理由、年齢、雇用保険の加入期間によって受給できる期間が変わります。また、申請には期限があり、離職後1年以内に手続きを済ませ、受給を終える必要があります。
この記事では、「何ヶ月もらえるのか」「いつまでに申請すべきか」「何回もらえるのか」など、失業保険の受給期間に関する疑問を詳しく解説します。
最初に混同しやすい用語を整理します。「所定給付日数=もらえる日数」「受給期間=もらえる期限(原則1年)」です。日数が残っていても、期限(受給期間)を過ぎると受け取れません。
■目次
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失業保険の受給期間は何で決まるのか
失業保険の受給期間(所定給付日数)は、以下の3つの要素で決まります。
- 退職理由(会社都合か自己都合か)
- 雇用保険の加入期間(1年未満、1年以上、5年以上など)
- 離職時の年齢(特に45歳以上は優遇される)
この中で最も影響が大きいのは退職理由です。会社都合退職の方が、自己都合退職よりも長期間受給できます。
退職理由による分類
退職理由は、以下の4つに分類されます。
- 特定受給資格者(会社都合退職)
- 特定理由離職者1(契約更新を希望したが更新されなかった)
- 特定理由離職者2(病気・介護などやむを得ない自己都合)
- 一般受給資格者(通常の自己都合退職)
特定受給資格者(会社都合退職)とは、倒産、解雇、リストラなど、会社側の都合で退職した場合です。給与未払い、長時間残業、ハラスメントなども該当します。所定給付日数が優遇され、給付制限期間もありません。
特定理由離職者1は、契約社員や派遣社員が契約期間満了後、本人は更新を希望したにもかかわらず更新されなかった場合です。特定受給資格者と同じ扱いになり、所定給付日数が優遇され、給付制限もありません。
特定理由離職者2は、病気やケガ、家族の介護、配偶者の転勤など、やむを得ない理由で退職した場合です。所定給付日数の優遇はありませんが、給付制限期間はありません。定年退職もこちらに該当します。
一般受給資格者は、上記以外の自己都合退職です。転職やキャリアチェンジなど、自分の意思で退職した場合が該当します。所定給付日数の優遇はなく、給付制限期間が原則1ヶ月あります。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
特定受給資格者と特定理由離職者
失業保険は何ヶ月(何日)もらえるのか
失業保険の受給期間は、退職理由と雇用保険の加入期間、年齢によって決まります。
会社都合退職・契約更新されなかった場合(特定受給資格者・特定理由離職者1)
所定給付日数が優遇され、給付制限期間もありません。

主なポイント
- 加入期間1年未満:90日
- 加入期間1年以上5年未満:90日(29歳以下)〜180日(45歳以上)
- 加入期間5年以上10年未満:120日(29歳以下)〜240日(45歳以上)
- 加入期間10年以上20年未満:150日(29歳以下)〜270日(45歳以上)
- 加入期間20年以上:180日(29歳以下)〜330日(45歳以上)
年齢が高く、加入期間が長いほど、手厚く保護されます。中高年は若年層より再就職に時間がかかることや、住宅ローンや教育費などの支出が多いことが考慮されています。
自己都合退職の場合(一般受給資格者・特定理由離職者2)
一般受給資格者の場合、1ヶ月の給付制限期間があります。特定理由離職者2は給付制限なしです。

主なポイント
- 加入期間1年未満:支給なし
- 加入期間1年以上10年未満:90日
- 加入期間10年以上20年未満:120日
- 加入期間20年以上:150日
自己都合退職の場合、年齢による優遇はありません。また、雇用保険の加入期間が1年未満の場合は、失業保険を受給できません。
就職困難者の場合
身体障害者、知的障害者、精神障害者、保護観察に付されている方、社会的事情により就職が著しく困難な方が該当します。

主なポイント
- 加入期間1年未満:150日
- 加入期間1年以上:300日(44歳以下)〜360日(45歳以上)
就職困難者は、最も手厚く保護されます。
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失業保険はいつまでに申請すれば良いのか
失業保険の申請には期限があります。離職日の翌日から1年以内に受給を終える必要があります。
受給期間の原則
失業保険の受給期間(期限)は、離職日の翌日から1年間です。この1年間の中で、所定給付日数分の失業保険を受け取らなければなりません。
失業保険は「認定日」ごとに支給されるため、所定給付日数が多いほど、実際に受け取りきるまでに一定の期間が必要になります。そのため、申請(手続き)が遅くなるほど、期限内に日数分を受け取りきれないリスクが高くなります。
たとえば、所定給付日数が180日(約6ヶ月)の場合でも、離職後かなり時間が経ってから手続きをすると、期限(原則1年)までに受給しきれない可能性があります。できるだけ早めの申請がおすすめです。
受給期間の延長
もともとの給付日数が多い場合、受給期間(期限)があらかじめ長く設定されます。
- 所定給付日数が330日の場合:離職日の翌日から1年+30日
- 所定給付日数が360日の場合:離職日の翌日から1年+60日
また、病気やケガ、妊娠・出産・育児、親族の介護などで働けない期間が30日以上ある場合、最長3年間(本来の1年+延長3年=合計4年間)まで受給期間を延長できます。この場合、ハローワークで受給期間延長の手続きが必要です。
申請が遅れた場合のリスク
離職後すぐに申請しなかった場合、所定給付日数が残っていても、受給期間(期限)が終了すると、失業保険は打ち切られます。
例:所定給付日数240日の場合
離職後しばらく経ってから申請すると、残りの受給期間(期限)が短くなります。その結果、240日分の所定給付日数があっても、期限内に満額受給できない可能性があります。
できるだけ早く申請することをおすすめします。
自己都合退職の給付制限期間
自己都合退職(一般受給資格者)の場合、原則1ヶ月の給付制限期間があります。
給付制限期間とは
給付制限期間とは、自己都合退職などの場合に、待機期間(7日間)が終わった後も、すぐには基本手当が支給されない期間のことです(待機7日間は原則として全員にあります)。
自己都合退職の場合の流れ
- ハローワークで失業保険の手続き
- 待機期間7日間
- 給付制限期間1ヶ月
- 失業保険の支給開始
実際に銀行口座に振り込まれるのは、最初の認定日(給付制限終了後の4週間後)から約1週間後です。手続きから約2ヶ月後が目安です。
2025年4月の改正
2025年4月1日以降、自己都合退職の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。ただし、5年間で2回まではこの短縮が適用されます。3回目以降は2ヶ月になります。
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失業保険は何回もらえるのか
失業保険は、条件を満たせば何度でも受給できます。転職を繰り返しても、それぞれの離職時に受給資格があれば、受給可能です。
受給資格の条件
失業保険を受給するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 自己都合退職の場合:離職日以前の2年間に、雇用保険の加入期間が通算12ヶ月以上
- 会社都合退職の場合:離職日以前の1年間に、雇用保険の加入期間が通算6ヶ月以上
この条件を満たしていれば、過去に失業保険を受給していても、再度受給できます。
雇用保険の加入期間の引き継ぎ
雇用保険の加入期間は、会社間のブランクが1年未満であれば合算できます。ただし、一度失業保険(基本手当や再就職手当)を受給すると、その時点で加入期間はリセットされます。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
複数社勤めていた場合、それらの加入期間は合算して失業保険を受け取れるのか
雇用保険の加入期間の計算方法
雇用保険の加入期間は、複数の会社で働いていた場合、合算できる場合があります。
合算の条件
- 会社間のブランクが1年未満であること
- 過去に失業保険を受給していないこと(受給していた場合は、それ以降の会社の加入期間)
たとえば、A社で2年勤務後、3ヶ月のブランクを経てB社に入社し、1年勤務した場合、合計3年の加入期間として扱われます。
リセットされるケース
以下の場合、雇用保険の加入期間はリセットされ、ゼロから再カウントされます。
- 失業保険(基本手当や再就職手当)を受給した場合
- 会社間のブランクが1年以上ある場合
ハローワークで失業保険の手続きをしただけではリセットされません。実際に基本手当や再就職手当を1円でも受給した時点でリセットされます。
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失業保険の受給額を知りたい場合
失業保険の受給額は、退職前6ヶ月間の賃金によって決まります。詳しく知りたい場合は、以下の記事を参照してください。
まとめ
失業保険の受給期間は、退職理由、年齢、雇用保険の加入期間によって90日〜330日(就職困難者は最大360日)まで大きく変わります。会社都合退職の方が自己都合退職より優遇され、中高年ほど長期間受給できます。
重要なのは、離職後1年以内に受給を終える必要があることです。所定給付日数が多い場合、申請が遅れると期限内に受給しきれなくなるため、できるだけ早く手続きすることをおすすめします。
失業保険は条件を満たせば何度でも受給できますが、一度受給すると雇用保険の加入期間がリセットされるため、次回の受給には新たに12ヶ月以上(会社都合は6ヶ月以上)の加入期間が必要になります。
よくある質問
Q1. 失業保険は最大で何ヶ月もらえますか?
A. 最大で330日(約11ヶ月)です。ただし、これは会社都合退職で、45歳以上、雇用保険の加入期間が20年以上の場合に限られます。就職困難者の場合は最大360日(約12ヶ月)です。
Q2. 自己都合退職の場合、何ヶ月もらえますか?
A. 雇用保険の加入期間によって異なります。
- 加入期間1年以上10年未満:90日(約3ヶ月)
- 加入期間10年以上20年未満:120日(約4ヶ月)
- 加入期間20年以上:150日(約5ヶ月)
最低でも90日分は受け取ることができます。
Q3. 失業保険は何回でももらえますか?
A. 条件を満たせば、何度でももらえます。ただし、一度受給すると、それまでの雇用保険の加入期間はリセットされます。次に受給するには、再度12ヶ月以上(会社都合の場合は6ヶ月以上)の加入期間が必要です。
Q4. 離職後いつまでに申請すれば良いですか?
A. 離職日の翌日から1年以内に受給を終える必要があります。所定給付日数が多い場合、申請が遅れると受給しきれなくなります。できるだけ早く申請してください。
Q5. 給付制限期間中にアルバイトはできますか?
A. できます。ただし、週20時間以上働くと雇用保険に加入することになり、失業保険の受給資格を失います。また、働いた日はハローワークに申告する必要があります。
Q6. 受給期間を延長できますか?
A. 病気やケガ、妊娠・出産・育児、介護などで30日以上働けない場合、最長3年間(本来の1年+延長3年=合計4年間)まで延長できます。ハローワークで受給期間延長の手続きが必要です。
Q7. 雇用保険の加入期間が1年未満の場合、失業保険はもらえませんか?
A. 自己都合退職の場合はもらえません。ただし、会社都合退職の場合は、加入期間が6ヶ月以上あれば、90日分の失業保険を受給できます。