「失業保険って、結局いつまでもらえるの? どのくらいもらえるの?」
退職後の生活に不安を感じているとき、最初に知りたいのは自分が何日分もらえるのかではないでしょうか。
結論から言うと、失業保険の受給日数は退職理由・年齢・雇用保険の加入期間の3つで決まります。同じ「退職」でも、会社都合か自己都合かで最大240日もの差が出ることも珍しくありません。
さらにやっかいなのが、「もらえる日数」と「もらえる期限」が別々に存在すること。日数が残っていても、期限の1年が過ぎてしまえば受給できなくなります。
この記事では、失業保険の受給期間の決まり方から、申請期限、受給期間の延長方法、そして「何回でももらえるのか」まで、迷いやすいポイントを一つずつ解説していきます。
■目次
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最初に押さえたい2つの用語:「所定給付日数」と「受給期間」
失業保険の話をする前に、混同しやすい2つの用語を整理しておきましょう。
この2つは別物です
- 所定給付日数 = 失業保険をもらえる日数(例:90日、120日、330日)
- 受給期間 = 失業保険をもらえる期限(原則、離職日の翌日から1年間)
たとえば、所定給付日数が180日(約6ヶ月)であっても、受給期間の1年を過ぎると、日数が残っていても支給は打ち切られます。
つまり、「日数」と「期限」は両方クリアしなければならないということです。この区別を頭に入れたうえで、読み進めてください。
失業保険は何日もらえる? 受給日数を決める3つの要素
失業保険の所定給付日数は、以下の3つの要素で決まります。
- 退職理由(会社都合 or 自己都合)
- 雇用保険の加入期間(1年未満〜20年以上)
- 離職時の年齢(特に45歳以上は手厚い)
このうち最もインパクトが大きいのは退職理由です。会社都合退職(特定受給資格者)は、自己都合退職よりも大幅に優遇されます。
退職理由の4分類を知っておこう
退職理由は、以下の4つに分類されます。自分がどこに該当するかで、受給日数も給付制限も変わります。
| 区分 | 対象者 | 日数優遇 | 給付制限 |
|---|---|---|---|
| 特定受給資格者 | 倒産・解雇・リストラなど会社都合 | あり | なし |
| 特定理由離職者1 | 契約更新を希望したが更新されなかった | あり | なし |
| 特定理由離職者2 | 病気・介護・配偶者の転勤など | なし | なし |
| 一般受給資格者 | 通常の自己都合退職 | なし | 原則1ヶ月 (2025年4月〜) |
「給与未払い」「長時間残業」「ハラスメント」なども、証拠があれば会社都合として認められる場合があります。離職票の退職理由に納得がいかない場合は、ハローワークで異議を申し立てることが可能です。
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退職理由別の所定給付日数一覧
ここからは、退職理由ごとの所定給付日数を具体的に見ていきます。自分の退職理由・年齢・加入期間を照らし合わせてみてください。
会社都合退職・契約更新されなかった場合(特定受給資格者・特定理由離職者1)
最も手厚く保護されるグループです。年齢と加入期間の両方が考慮され、最大330日分支給されます。
ポイント:年齢が高いほど手厚い理由
45歳以上の中高年層は、再就職に時間がかかりやすく、住宅ローンや教育費などの固定支出も多い世代です。そのため、所定給付日数が長く設定されています。
自己都合退職の場合(一般受給資格者・特定理由離職者2)
自己都合退職の場合は、年齢による優遇がなく、加入期間のみで日数が決まります。
| 加入期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 支給なし |
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
注意すべきは、加入期間が1年未満の場合、自己都合退職では失業保険を受給できないことです。転職して間もない方は特に確認しておきましょう。
就職困難者の場合
身体障害者、知的障害者、精神障害者など、就職が著しく困難な方は最も手厚い保護を受けられます。
| 年齢\加入期間 | 1年未満 | 1年以上 |
|---|---|---|
| 44歳以下 | 150日 | 300日 |
| 45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日 |
就職困難者に該当するかどうかは、障害者手帳の有無などで判断されます。対象になる可能性がある方は、ハローワークで相談してみてください。
受給期間の「期限」は原則1年。申請が遅れると損をする
ここで改めて確認しておきたいのが、失業保険の「期限」です。
受給期間のルール
離職日の翌日から1年以内に、所定給付日数分の失業保険を受け取りきる必要があります。
この1年間には、待期期間(7日間)、給付制限期間(自己都合の場合は原則1ヶ月)、認定日ごとの処理期間がすべて含まれます。手続き開始が遅ければ遅いほど、実際にもらえる日数が削られるリスクがあります。
申請が遅れるとどうなる? 具体例で見る
たとえば、所定給付日数が240日(約8ヶ月)の方が、離職から5ヶ月後に手続きした場合を考えてみましょう。
残りの受給期間は約7ヶ月。しかし、ここから待期期間や認定のサイクルを考慮すると、240日分すべてを受け取りきるのはほぼ不可能です。
所定給付日数が多い方ほど、早めの手続きが重要になります。離職票が届いたら、できるだけ早くハローワークへ行きましょう。
受給期間が自動で長くなるケース
所定給付日数が極めて多い場合は、受給期間があらかじめ長く設定されます。
- 所定給付日数が330日の場合:離職日の翌日から1年+30日
- 所定給付日数が360日の場合:離職日の翌日から1年+60日
※ただし、これは所定給付日数が特に多いケースの特例です。ご自身の正確な受給期限は、雇用保険受給資格者証に記載された「受給満了日」で必ず確認してください。
受給期間の延長制度:最長4年間まで
病気、ケガ、妊娠・出産・育児、親族の介護などで30日以上働けない状態が続く場合、とか受給期間を最長3年間延長できます(本来の1年+延長3年=合計最大4年間)。
延長手続きは、原則として「働くことのできない期間が30日経過した後」から申請できます。申請期限は緩和されていますが、手続きを忘れると権利を失う恐れがあるため、30日経過したら早めに申請することをおすすめします。
「今すぐ求職活動できないから、失業保険はもらえない」と諦める必要はありません。延長制度を活用すれば、回復後に受け取ることができます。
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自己都合退職の給付制限期間について
自己都合退職(一般受給資格者)の場合、7日間の待期期間に加えて、原則1ヶ月の給付制限があります。
給付制限期間の流れ
- ハローワークで失業保険の手続き
- 待期期間(7日間)
- 給付制限期間(原則1ヶ月)
- 最初の認定日 → 支給開始
実際に銀行口座に振り込まれるのは、手続きから約2ヶ月後が目安です。その間の生活費は、貯金やアルバイトでカバーする必要があります。
2025年4月の改正:給付制限は「2ヶ月」から「1ヶ月」に
2025年4月の法改正により、自己都合退職の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。以前より約1ヶ月早く受給を開始できるようになっています。
給付制限の例外に注意
- 過去5年間に2回以上、自己都合退職(給付制限あり)で受給資格決定を受けている場合 → 今回の給付制限は3ヶ月
- 教育訓練給付金の対象講座(一般・特定一般・専門実践)などを受講する場合 → 給付制限が解除される制度あり
※解除にはハローワークでの所定の手続きが必要です。
短期間で転職を繰り返している方は、給付制限の長さに注意が必要です。
失業保険は何回でももらえる? 加入期間のリセットに注意
失業保険は、条件を満たせば何度でも受給できます。「一度もらったらもう終わり」ということはありません。
再受給の条件
もう一度失業保険を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。
| 退職理由 | 必要な加入期間 |
|---|---|
| 自己都合退職 | 離職日以前の2年間に通算12ヶ月以上 |
| 会社都合退職 | 離職日以前の1年間に通算6ヶ月以上 |
「加入期間のリセット」に注意
一度、失業保険の手続きをして「受給資格決定」を受けると、それまでの雇用保険の加入期間は原則として消費(リセット)されます。次の会社での加入期間がゼロからのスタートになるということです。
(※受給資格決定を受けても、1日も受給せずに「受給資格の取消」を行った場合などはリセットされないケースもありますが、取消をせず放置すると消費したとみなされるため注意が必要です)
加入期間の合算ルール
転職の際、会社間のブランクが1年未満であれば、雇用保険の加入期間は合算できます。
たとえば、A社で3年、B社で2年働いた場合(ブランクが1年未満で、その間に失業保険を受給していなければ)、合計5年の加入期間として扱われます。
ただし、以下の場合は加入期間がリセットされます。
- 失業保険(基本手当や再就職手当)を受給資格決定した
- 会社間のブランクが1年以上空いた
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失業保険の受給額を知りたい場合
「日数はわかったけど、結局いくらもらえるの?」という方は、以下の記事で詳しく解説しています。
退職前6ヶ月の賃金から基本手当日額を計算し、それに所定給付日数を掛けたものが受給総額の目安になります。
まとめ
失業保険の受給日数は、退職理由・年齢・加入期間の3要素で決まります。最後にポイントを振り返っておきましょう。
- 会社都合退職は最大330日、自己都合退職は最大150日(就職困難者は最大360日)
- 受給期間(期限)は原則1年。日数が残っていても期限を過ぎたら受け取れない
- 自己都合退職は原則1ヶ月の給付制限あり(2025年4月改正)
- 所定給付日数が多い人ほど、早めの手続きが重要
- 病気・育児などで働けない場合、受給期間を最長4年まで延長可能
- 失業保険は何度でも受給可能。ただし加入期間はリセットされる
失業保険は、退職後の生活を支える大切なセーフティネットです。「自分は何日もらえるのか」「いつまでに手続きすべきか」を正確に把握して、損をしないよう早めに行動してください。
よくある質問
Q. 失業保険は最大で何ヶ月もらえますか?
最大で330日(約11ヶ月)です。会社都合退職、45歳以上60歳未満、加入期間20年以上の場合に該当します。就職困難者の場合は最大360日(約12ヶ月)です。
Q. 自己都合退職の場合は何ヶ月もらえますか?
加入期間によって異なります。1年以上10年未満で90日(約3ヶ月)、10年以上20年未満で120日(約4ヶ月)、20年以上で150日(約5ヶ月)です。年齢による優遇はありません。
Q. 定年退職の場合、給付制限はありますか?
原則としてありません。定年退職は「一般受給資格者」と同じ給付日数になりますが、給付制限期間はなく、待期期間(7日間)満了後から支給対象期間に入ります。
※ただし、定年後の再雇用制度の利用状況や、離職票の記載(離職理由コード)によっては扱いが異なる場合があるため、必ずハローワークで確認してください。
Q. 失業保険は何回でももらえますか?
条件を満たせば何度でも受給できます。ただし、一度受給資格決定を受けると加入期間はリセットされます。次の受給には、新たに12ヶ月以上(会社都合は6ヶ月以上)の加入期間が必要です。
Q. 離職後いつまでに申請すれば良いですか?
離職日の翌日から1年以内に受給を終える必要があります。所定給付日数が多い方は、申請が遅れると全額受け取れなくなります。離職票が届いたら早めにハローワークへ行きましょう。
Q. 給付制限期間中にアルバイトはできますか?
できます。ただし、週20時間以上の就労は雇用保険の加入対象になるため、失業保険の受給資格に影響します(就職したとみなされる)。働いた日は必ずハローワークへ申告してください。
Q. 受給期間を延長できますか?
病気・ケガ・妊娠・出産・育児・介護などで30日以上働けない場合、最長3年間(合計4年間)まで延長できます。働けない期間が30日を経過したら、ハローワークで延長の手続きを行ってください。
Q. 雇用保険の加入期間が1年未満の場合、失業保険はもらえませんか?
自己都合退職の場合はもらえません。ただし、会社都合退職(特定受給資格者)や特定理由離職者1なら、加入期間6ヶ月以上で90日分の受給が可能です。


