雇用保険(失業保険)の役立話

複数社勤めていた場合、それらの加入期間は合算して失業保険を受け取れるのか

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複数社勤めていた場合、それらの加入期間は合算して失業保険を受け取れるのでしょうか

合算できます。雇用保険(失業保険)の加入期間は1社だけではありません。複数社勤めていたのであれば合算対象です。
例えば雇用保険の加入期間が、1社目が2年、2社目が3年、3社目が半年だった場合、合わせると5年半になります。

ただし以下2つのケースの場合は、合算対象とはなりませんので注意が必要です。

以前「失業保険の手続きをした」場合、それ以前の加入期間は合算されません。失業保険の手続きをした時点でリセットされます。
もうひとつは、会社間のブランクが1年以上ある場合です。1年以上あればそこでリセットされ、ゼロからとなります。

以下もう少し詳しく見ていきます。

 

加入期間が合算できる場合とできない場合

まず前提として、
失業保険を受け取るためには、過去2年間の間に1年以上雇用保険に加入していなければなりません。
会社都合退職の場合は過去1年間の間に6ヶ月以上加入していれば対象です

会社間でのブランク(加入していない期間)が1年以上空いていなければ良い

2社勤めていた場合

会社間のブランクが1年未満であれば、合算対象になります。
※3/31退職であれば、翌年の3/31まで

3社勤めていた場合

会社間のブランクが1年未満であれば、何社でも合算対象になります。

たとえ1ヶ月と短い期間であっても加入期間となります

失業保険を受け取ると、加入期間がリセットされる

一度失業保険の手続きを行なうと、加入期間がリセットされます。
図の場合、1社目退社後に失業保険の手続きを行っているため、加入期間がリセットされ、2社目より再度1ヶ月目としてカウントされる。

※失業保険の手続きは、実際に失業保険を受け取っても受け取らなくてもリセットされます。

ひと月に11日以上でないと加入期間には含まれない

加入期間中に、月に11日以上の出勤がないと被保険者期間にはなりません。

1ヶ月でも雇用保険に加入していれば、合算の対象になります。
ただしその月に11日以上出勤している必要があります。11日以上ある場合を被保険者期間1ヶ月となるからです。

被保険者番号はひとつだとは限らない

入社した際に、会社側でハローワークへ雇用保険手続きを行います。その時に使うのが雇用保険の被保険者番号です。
基本はひとり一つずつなので、以前会社で使っていた番号があれば新しい会社でもその番号を使います。

ですが、被保険者番号を失くしてしまったり(再発行もできる)、会社側が新規で作る場合もあります。
その場合は、2つ番号が存在することになります。

あくまで手続上の問題なので、2つあっても、3つあっても実際の支給には問題ありません。統合するだけです。

以前勤めていた会社から離職票の取り寄せが難しい場合

合算の対象が増えれば増えるほど、受け取る失業保険の期間が長くなります。

[詳細は下記リンクを参照]
雇用保険はいくらもらえるの?
雇用保険はいつまでもらえるの?
失業給付の金額を計算(自動計算ツール)

特に前職を会社都合や、特別な理由のある自己都合の場合は、特にその恩恵が大きくなります。

特定受給資格者と特定理由離職者(失業給付が優遇されます)

失業保険(雇用保険)の合算期間は離職票を元に計算されます。
そのため失業保険(雇用保険)の手続きをしておらず、会社間でのブランクが1年以内の場合はさかのぼって離職票を集める必要があるわけです。

普通の会社であれば退職後に離職票が本人の元へ送られてきます。しかしブラックの会社などでは送られない場合もあるのです。その理由としては「そもそも雇用保険の手続きをしていない」「本人から言われてからやれば良い」「面倒くさいので忘れていた」「手続きはしたが本人に送っていない」などさまざまな理由があります。

ハローワーク経由でお願いする

・ケンカ別れしたため、電話がかけずらい
・セクハラやパワハラで退職したので、電話しにくい。
・ブラック企業なので、電話したら何を言われるかわからない。

など、どうしても連絡が取りづらいことがあるかと思います。
その場合は、ご住所管轄のハローワークに相談してください。事情にもよりますが、ハローワークから連絡してもらえることもあります。

あきらめる

まずは自身で合算対象期間を把握してください。そして離職票があった方が得な場合は取り寄せることも必要ですが、中には必要のない場合もあります。
例えば自己都合退職の場合、加入期間が10年未満の場合は全て90日なので、1年であろうが9年と11ヶ月であろうが受け取る期間は変わらないのです。

そして金額面からみても、直線の6ヶ月の給与を対象に計算しますので、それ以前の細かい給与明細などは必要ないのです。たとえ以前の離職票がなくても合算できる場合もあります。

記事まとめ

まず大切なのは失業保険の手続きをする際は、1年以上の加入期間(理由によっては6ヶ月)が必要です。
1年以上の加入期間があれば失業保険を最低90日は受け取ることができます。

雇用保険の加入日とは入社日のことです。

そして説明したとおり、雇用保険の加入期間は合算ができます。その合算期間によっては、受け取る日数も変わります。

1年以上ブランクがある場合でも、失業保険の延長申請をしていれば最大3年間は延長もできますので、すぐに働けない方は延長してみるのもよいでしょう。そうすれば、その後働く際にも合算することもできます。

 

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