会社都合での退職のはずだったが、ハローワークに手続にいくと自己都合扱いにされていた。
このようなケースは実際に少なくありません。
会社を辞める理由として、大きく分けて「会社都合」と「自己都合」とがあります。
どちらとも会社を退職することに変わりはないのですが、失業保険の受け取る際にはとても大きな差が出てしまいます。
ではどのように対処すれば良いのでしょうか?
自己都合と会社都合とで、どれくらい差があるのかは「雇用保険(失業保険)はいつまでもらえるの? 」を参照してください。
離職理由の判断手続きの流れ
まずは離職時における、手続き上の流れについて説明していきます。
下記のように、会社よりハローワークへ手続を行う。手続後の離職者へ送付。離職者は離職票を持参してハローワークにて失業保険の手続を行います。
- 事業主より事業所の管轄するハローワークへ離職証明書の提出。ここで事業主が記載している「離職理由」について、それを裏付ける客観的な資料等により確認。
- 事業主から離職者へ離職票の送付(この時点で離職理由が明記されています)
- 離職者より住所を管轄するハローワークへ手続きを行います。その際に事業主が記載している「離職理由」について相違無いか離職者へ確認します。
- 意義なしの場合は「離職理由」が確定しますが、意義ありの場合はハローワークが間に入り事業主へのヒアリングや客観的資料等により十分吟味して判断します。
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離職内容に意義がある場合
会社から送られてくる離職票。この離職票の中に退職理由が明記されています。
対応表は「失業保険の離職理由コードとは(内容をわかりやすく説明) 」を参照願います。
一般的な自己都合退職の場合は4Dです。
4Dに○が付けられている場合は、2ヶ月の給付制限がつきます。この2ヶ月の給付制限とは、実際に失業保険の手続をした後に受け取るまで2ヶ月待たなければならないということです。
※2020年(令和2年)10月1日より、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月へと短縮されました。
会社都合退職(もしくはやむを得ない理由がある自己都合退職)の場合は2ヶ月待たずに支給されますし、給付日数も優遇されます。
※やむを得ない理由がある自己都合退職とは、病気やケガで業務を行うのが困難になった、親等の介護等が含まれます。
会社側へ退職理由について確認する
4Dは明らかな自己都合退職です。
本人は会社都合退職のつもりだったが、実際は自己都合退職にされていた。これはよくあるケースです。
パワハラやセクハラ、残業過多や残業代を払ってくれない等の理由で退職せざるを得ない場合もあります。
会社側の記載ミスも考えられるので、まずは会社側に事実確認をしましょう。
(ケンカ別れ等の)理由があって会社側に連絡できないようであれば、後述するハローワークに相談しましょう。
会社側とトラブルがあり、本人の意見は無視して自己都合退職扱いにされることも多々あります。
ケンカ別れした際に起こりがちな例です。
※注意:「退職届」を書いてしまうと、自己都合退職にさせられてしまいます。
ハローワークに相談する
実際に多くの人が気づくのはハローワークへ手続した際です。
その時にはじめて自己都合退職であることを知ります。(ハローワークの職員が自己都合退職での手続で良いかを本人へ確認します。)
その際におかしいと感じた場合、ハローワークの職員へその旨伝えましょう。
会社に連絡しづらい場合は、ハローワークの職員が代わりに連絡してくれます。その後事実確認を行います。
その時にあった方が良いのが「事実がわかる証拠」です。
お互いが異なる主張をしていたら事が進みません。
たとえば残業代が支払われずに退職した場合は、出退勤がわかるものと給与明細。
パワハラやセクハラの場合は、録音やメールなど客観的に判断できるもの。
職場の仲間の証言なども有効です。
会社と相違があり退職理由に納得できない場合はハローワーク等を利用して損をしないようにしましょう。
自分の身は自分で守るしかありません。かといって一人では難しい場合もあるのです。