雇用保険(失業保険)の手続き

自己都合退職の失業保険手続き|初回認定日の流れと給付制限1ヶ月の注意点

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自己都合で退職した場合、失業保険(雇用保険)の手続きはどう進めればいいのか、特に初めての認定日で何をすればいいのか不安ですよね。

この記事では、自己都合退職の場合の失業保険手続きの流れを、初回認定日で注意すべきポイントを中心に、実際の手続きの順番に沿って詳しく解説します。

特に「初回認定日に説明会の参加だけで求職活動してなくても大丈夫なのか」「2回目の認定日との違いは何か」といった、多くの人が疑問に思う点を明確にしていきます。

また、2025年4月からの制度改正で、自己都合退職の給付制限期間が原則1ヶ月に短縮されていますので、最新の情報でお伝えします。

 

■目次

失業保険を受給するための基本要件

まず、失業保険を受給するための要件を確認しておきましょう。

基本的な要件は、離職日より過去2年間の間に、通算して12ヶ月以上の雇用保険の加入があることです。会社の倒産や解雇等の場合には、過去1年の間に半年以上雇用保険の加入があれば要件を満たします。

詳しい受給要件については、雇用保険の受給要件をご確認ください。

65歳以上の方へ
65歳以上で退職された方は、基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」の対象になります。手続きや給付内容が異なりますので、高年齢求職者給付金(65歳以上の雇用保険)をご確認ください。

手続きの全体像|自己都合退職の場合の流れ

自己都合退職の場合、失業保険を受給するまでの流れは以下の通りです。

  1. ハローワークで雇用保険の申請手続き(受給資格の決定)
  2. 待期期間(7日間)
  3. 雇用保険受給説明会への参加
  4. 初回の失業認定日
  5. 給付制限期間(原則1ヶ月) ← 2025年4月改正
    ※実務上は、待期期間終了の翌日から給付制限が始まり、初回認定日はその給付制限中に来ることが一般的です(初回認定後も給付制限が続くイメージです)。
  6. 2回目の失業認定日で初めて支給決定
  7. 基本手当の受け取り開始

2025年4月の制度改正により、自己都合退職の給付制限期間が原則1ヶ月へと短縮されました。以前は2ヶ月〜3ヶ月の制限がありましたが、現在は初回認定日から約1ヶ月後の2回目認定日で支給が決定しやすくなっています。

それでは、各ステップを詳しく見ていきましょう。

STEP1:ハローワークで雇用保険の申請手続き

必要書類を準備する

まず、住所を管轄するハローワークへ必要書類を持参し、求職申込みを行います。雇用保険の手続きをする場合は、先に求職申込みを行う必要があります。

【必要書類】

  • 雇用保険被保険者離職票-1、雇用保険被保険者離職票-2
  • 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号記載のある住民票でも可)
  • 本人確認ができるもの
  • 写真2枚(3cm×2.5cmの正面上半身のもの)
    ※マイナンバーカード提示により省略可能な場合があります
  • 印鑑(スタンプ印不可)
  • 本人名義の普通預金通帳(またはキャッシュカード)

離職票-1の見本(イメージ)
離職票-2の見本(イメージ)

本人確認書類について:運転免許証、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)等1点。お持ちでない場合は、公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など2種類必要になります。

求職申込みから受給資格決定まで

求職登録用紙に記入し、職員が確認後にハローワークカードを作成・受け取ります。窓口の担当から簡単な質問があり、問題がなければ手続き終了となり、ここで「受給資格者のしおり」「失業認定申告書」を受け取ります。

※失業認定申告書は雇用保険受給説明会の際に渡される場合もあります。

離職理由の確認が重要

離職理由等で会社側と相違がある場合は、この時点で相談しましょう。ハローワーク側で事実関係を調査の上、離職理由を判定します。

自己都合退職の場合は離職票-2の右側を見ていただき、離職区分の4Dに○がしてあります。

特定理由離職者に該当する可能性
退職理由によっては特定理由離職者(やむを得ない理由での自己都合)になり得る場合もあります。特定理由離職の場合は会社都合と同じ扱いになるため、給付日数が優遇され、給付制限もつきません。詳しくはこちらの記事をご確認ください。

STEP2:待期期間(7日間)

受給資格の決定から7日間は、失業の状態であることを確認するための期間です。この間は基本手当(失業手当)は支給されません。

待期期間中に仕事(アルバイト等)をした場合は、その日数分だけ待期期間の完成が先送りになります。あくまでも待期期間は「失業している日が7日間あること」を確認するためのものなので、仕事をするのは避けた方が無難です。
※「7日が最初からやり直し(リセット)」ではなく、「働いた日は7日に数えないため、完成が後ろにずれる」というイメージです。

(例)4月15日に雇用保険の手続きをした場合
一切働かなければ、4月15日から4月21日までの7日間で待期期間満了となります。(土日も含みます)

STEP3:雇用保険受給説明会への参加

管轄のハローワークにて、雇用保険についての説明会が実施されます。ビデオを見たり説明を聴いたりし、2時間程度かかります。雇用保険の手続きの際に、いつ説明会に参加するのかを案内があります。

説明会で受け取る重要書類

説明会終了後に、「雇用保険受給資格者証(写真付き)」を受け取ります。
※マイナンバーカードを活用した電子申請等の場合は「受給資格通知」という名称の書類になることがあります。

雇用保険受給資格者証の見本(イメージ)

雇用保険受給資格者証には、支給番号、氏名、被保険者番号、性別、年齢、生年月日、振込先口座、そして基本手当額、給付日数等の情報が明記されています。この書類は今後の認定日に毎回必要になるので、大切に保管してください。

STEP4:初回の失業認定日|最も注意が必要

初回の認定日は、説明会から約1~2週間後(手続きから約4週間後)に設定されます。この初回認定日について、多くの方が不安に思うポイントを整理します。
※日程はハローワークや手続き日によって前後します。

初回認定日に必要なもの

認定日には以下の2つが必要です。

  • 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)
  • 失業認定申告書

失業認定申告書はあらかじめ記入している必要があります。

失業認定申告書の見本(イメージ)

初回認定日は「説明会参加のみ」で大丈夫

ここが最も重要なポイントです。初回認定日に限り、雇用保険説明会に参加していれば、それが求職活動実績1回分としてカウントされます。

初回認定日は原則として「求職活動実績が1回以上」あれば認定されるため、別途求職活動をしていなくても問題ありません。

失業認定申告書の求職活動欄に「雇用保険受給説明会参加」(日付も記入)と明記して提出しましょう。

よくある不安:「説明会だけで求職活動してないけど大丈夫?」
→ 大丈夫です。初回認定日は説明会参加のみで求職活動要件を満たします。ただし、次回以降の認定日では2回の求職活動が必要になりますので注意してください。

初回認定日で確認されること

初回認定日で初めて「待期期間」の失業状態が確認されます。

認定日に行かなかった場合は失業の状態であることが確認できないため、支給開始がさらに遅れてしまいます。認定日には指定された時間に忘れずにハローワークに行きましょう。

初回認定日後の流れ

認定を受けたら、新しい失業認定申告書を受け取ります。(次回の認定日が書かれています)

自己都合の場合、給付制限期間(1ヶ月)があるため、まだ振込はありません。次回の認定日(約1ヶ月後)に、給付制限期間明けの分が初めて認定・支給されます。

STEP5:給付制限期間(1ヶ月)|2025年4月改正

自己都合退職の場合、待期期間7日間の後に「給付制限期間」があります。

2025年4月の制度改正により、正当な理由がない自己都合退職の場合でも、給付制限期間が原則1ヶ月に短縮されました。

【給付制限期間のルール】

  • 原則:1ヶ月
    (※5年間のうち2回までの離職に限る)
  • 例外:3ヶ月
    (※5年間に3回以上の正当な理由のない自己都合退職の場合)

以前は原則2ヶ月(さらに前は3ヶ月)でしたが、現在は多くのケースで1ヶ月となります。この給付制限期間中は、基本手当は支給されません。ただし、この期間中も求職活動は継続する必要があります。

STEP6:2回目の失業認定日で初めて支給決定

初回の認定日からおよそ1ヶ月後に2回目の認定日が設定されます。この認定日に失業認定を受けて初めて支給が決定(振込)します。

2回目認定日では求職活動が必須

初回認定日と違い、2回目以降の認定日では原則2回の求職活動実績が必要です。

求職活動として認められる活動の例:

  • ハローワークでの職業相談
  • ハローワークでの求人への応募
  • 民間の職業紹介事業者への登録・相談
  • 企業への応募(書類選考含む)
  • 各種資格試験の受験(事前申告が必要な場合あり)

詳しい求職活動実績の作り方は、求職活動実績になるもの・ならないもの一覧をご確認ください。

STEP7:基本手当(失業手当)の受け取り

2回目の認定日で認定を受けると、その約1週間後に指定された口座に振り込まれます。

初回にいくら振り込まれるのか

初回にどれくらいの日数分が振り込まれるのか、以下の日付を例に計算してみましょう。

  • 10月18日(水)に雇用保険手続き
  • 11月15日(水)に初回認定日
  • 翌12月13日(金)が第2回認定日

1. 待期期間:10月18日~10月24日(7日間)
2. 給付制限期間:10月25日~11月24日(1ヶ月間)
3. 支給対象期間:11月25日~12月12日(認定日の前日)

⇒ 2回目の認定が終わると、11月25日から12月12日までの「18日分」の基本手当日額が振り込まれます。

次回(第3回認定日)からは、認定期間丸々(28日分)の支給となります。

基本手当の金額について

基本手当の金額や給付日数については、以下の記事で詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 初回認定日に求職活動をしていないと認定されませんか?

A. いいえ、初回認定日に限り、雇用保険受給説明会への参加が求職活動1回分としてカウントされます。自己都合退職の場合、初回認定日までの必要実績は原則1回なので、説明会に参加していれば認定されます。失業認定申告書に「説明会参加」等を記入してください。

Q2. 2回目以降の認定日では何回の求職活動が必要ですか?

A. 2回目以降の認定日では、原則として前回の認定日から今回の認定日前日までの間に、2回以上の求職活動実績が必要です。

Q3. 自己都合退職の給付制限期間は何ヶ月ですか?

A. 2025年4月改正により、自己都合退職の給付制限期間は原則1ヶ月です(5年間に2回まで)。ただし、5年間に3回以上の自己都合退職がある場合は、3ヶ月の給付制限となります。

Q4. 認定日に行けない場合はどうすればいいですか?

A. 病気や面接など「やむを得ない理由」がある場合に限り、認定日の変更が可能です。必ず事前にハローワークに連絡し、指示を仰いでください。無断欠席や私用(旅行など)での欠席は認められず、その期間分の手当は不支給(先送り)となります。
※「先送り」は、給付日数そのものが消えるという意味ではありません。ただし受給期間(原則1年)を過ぎると残日数があっても受け取れないため、連絡と手続きが重要です。

Q5. 給付制限期間中もハローワークに行く必要がありますか?

A. 必須ではありませんが、次回の認定日までに「2回の求職活動実績」を作る必要があります。給付制限期間中にハローワークで職業相談などを行っておくと、実績作りもスムーズに進みます。

Q6. 待期期間中にアルバイトをしても大丈夫ですか?

A. 待期期間の7日間は「完全に失業している状態」を確認する期間です。この期間中にアルバイトをすると、その日数分だけ待期期間の完成が後ろにずれ込み、受給開始も遅れてしまいます。原則として仕事は避けたほうが無難です。

Q7. 離職票が届くのが遅れた場合、手続きはどうなりますか?

A. 離職票が届き次第、すぐにハローワークで手続きを行ってください。手続きが遅れると、その分だけ受給開始も遅くなります。離職日から期間が空いても給付日数自体は減りませんが、受給期間(原則1年)のお尻が決まっているため、あまりに遅くなると全額受け取れなくなるリスクがあります。

まとめ:自己都合退職の失業保険手続きのポイント

自己都合退職の場合の失業保険手続きについて、重要なポイントをまとめます。

  • 2025年4月改正:給付制限期間が原則1ヶ月に短縮(※5年間に2回まで)
  • 初回認定日:説明会参加のみで求職活動要件を満たす
  • 2回目以降:2回の求職活動実績が必要
  • 待期期間:7日間は仕事をしない(働くと期間が延びる)
  • 認定日:必ず出席する(欠席すると支給が遅れる)

特に初回認定日については「説明会だけで大丈夫か」と不安に思う方が多いですが、初回は説明会参加のみで問題ありません。2回目以降の認定日では2回の求職活動が必要になりますので、早めに準備を始めましょう。

失業保険の受給には様々なルールがありますが、一つひとつ確実に手続きを進めていけば大丈夫です。分からないことがあれば、遠慮なくハローワークの窓口で相談してください。

 

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