65歳以上で受け取ることができる失業保険についてわかりやすく説明していきます。
また得する情報やQ&Aもお伝えしていきます。
失業保険(正確には雇用保険の失業給付)とは会社を退職した際に受け取れる保険のことです。
年齢によってその呼び名と支給内容が異なりますので注意が必要です。

65歳未満の方は「基本手当」
65歳以上の方は「高年齢求職者給付金」となります。

高年齢求職者給付金を受け取るには、前提として離職前に6か月以上の雇用保険加入期間が必要です。
65歳以上の方は「高年齢求職者給付金」となり、50日分もしくは30日分を一時金として一括で受け取ることになります。(基本手当の場合は90~330日分を28日分ずつ支給)
また退職理由によって支給されるタイミングが変わってきます。
やむを得ない理由の退職の場合はすぐに一時金は支給されますが、それ以外の理由であれば受け取るまで2ヶ月待たなければなりません。(2ヶ月の給付制限)
※令和2年の法改正より給付制限が3ヶ月から2ヶ月に短縮されました。
やむを得ない理由と認められるものは、定年退職、解雇、契約期間満了、本人のケガ病気、家族の介護等の場合です。
では詳しく説明していきます。
■目次
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高年齢求職者給付金の手続きから受け取るまで
前提として、失業給付を受け取れる方は以下の方が対象です。
- ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があること
- いつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業につくことができないこと
- 離職の日以前に「被保険者期間(雇用保険の加入期間)」が6ヶ月以上あること
今後働く気がないのであれば原則として「高年齢求職者給付金」を受け取ることはできないわけです。
受給要件と支給日数
離職の日以前1年間に被保険者期間(雇用保険に加入していた期間)が通算して6ヶ月以上あること。
| 6ヶ月以上1年未満 | 30日 |
|---|---|
| 1年以上 | 50日 |
退職前に6ヶ月以上1年未満の雇用保険加入であれば30日、1年以上雇用保険加入期間があれば50日支給となります。
支給金額
支給金額については、おおよそ受け取っている1日給与の50%~80%×日数分です。
・月平均10万円の給与なら1日2,666円
・月平均20万円の給与なら1日4,739円
・月平均30万円の給与なら1日5,687円
◆以下は支給金額の例です
(例)月給20万円の場合、1日の基本手当日額はおよそ4,739円です。
その場合、
30日支給の場合は、30日×4,739 = 142,170円
50日支給の場合は、50日×4,739 = 236,950円
上記の額が一時金として支給されます。
以下のページにて、自動計算を行います。
・失業保険の金額を計算(自動計算ツール)
必要事項を入力し、計算ボタンを押すだけです。
■関連記事
・雇用保険(失業保険)はいくらもらえるの?(図と例で解説)
ハローワークにて高年齢求職者給付金の手続きを行なう

住所を管轄するハローワークにて手続きを行います。給付金の手続きをする際は、先に求職申込みを行います。求職登録用紙に記入し、職員が確認後にハローワークカードを作成しそれを受け取ります。この手続は「基本手当」を受ける場合も同じです。
【必要書類】
- 雇用保険被保険者離職票-1、雇用保険被保険者離職票-2 ※1
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号記載のある住民票でも可)
- 本人確認ができるもの※2
- 写真2枚(3cm×2.5cmの正面上半身のもの)
- 印鑑
- 本人名義の普通預金通帳又はキャッシュカードでも可※3
※1.雇用保険被保険者離職票1と2は、退職後に会社から送られてくるものです。
※2.本人確認書類については、運転免許証、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)等1点。お持ちでない場合は、公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など2種類必要。
※3.銀行口座についてはネットバンク不可
窓口の担当から離職理由の確認など簡単な質問があり、問題がなければ手続き終了となります。
その後次回の認定日についての案内があります。
◆雇用保険被保険者離職票-1 の見本

◆雇用保険被保険者離職票-2 の見本

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待機期間と給付制限
支給日については、退職理由により異なります。
| 離職理由 | 定年、解雇、契約期間満了で離職 | 自己都合、懲戒解雇での離職 |
|---|---|---|
| 支給まで | 手続き日から約1ヶ月後に一時金として支給(失業保険の手続きを行い、7日間の待機期間+その後の認定日後) | 手続き日から約4ヶ月後に一時金として支給(失業保険の手続きを行い、7日間の待機期間+2ヶ月の給付制限+その後の認定日後) |
| 受給期間 | 離職の日の翌日から1年間 | |
※高年齢求職者給付金を受けることができる期間は、離職の日の翌日から起算して1年間です。
2023年3月31日付で退職した場合、受け取れる期間は、2023年4月1日~2024年3月31日までです。
この期間を過ぎた場合は高年齢求職者給付金を受け取ることはできません。
<説明>
・離職理由によって受け取るまでの期間が異なります。定年、解雇、契約期間満了等で離職の場合は、手続後7日間の待機期間(失業状態が7日間続くこと)後に支給が決定となります。
実際には待機期間後に認定日があり、その認定日から1週間程で指定した口座に振り込まれます。(手続きから約1ヶ月後に振り込まれる)
認定日とは、ハローワークにておこなわれる失業状態や就業状況を確認する日です。
・自己都合退職の場合は、7日間の待機期間後にさらに2ヶ月の給付制限期間があります。2ヶ月待たなければ受け取ることができません。そのため実際に高年齢求職者給付金を受け取れるのは、手続きしてから約3ヶ月後です。
【手続きから支給までの流れ】会社都合や定年、契約期間満了による退職の場合
- 求職の申し込み
- 7日間の待機期間
- 認定日に失業状態であることを確認
- 認定日よりおおよそ5営業日以内に一括(30日または50日)で振り込まれます。
【手続きから支給までの流れ】自己都合による退職
- 求職の申し込み
- 7日間の待機期間
- 2ヶ月の給付制限期間
- 認定日に失業状態であることを確認
- 認定日よりおおよそ5営業日以内に一括(30日または50日)で振り込まれます。
高年齢求職者給付金Q&A
ここでは高年齢求職者給付金に関するQ&Aを紹介します。
・64歳と65歳で退職する場合の違いについて
・65歳までに退職する場合はいつまでに退職すればよいのか
・高年齢求職者給付金を受け取ると年金が支給停止されるのか
・高年齢求職者給付金は何度も受け取ることは可能か
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64歳と65歳で退職する場合の違いについて
64歳と65歳では64歳で退職したほうがお得です。
64歳で退職すると高年齢求職者給付金(一時金)ではなく基本手当を受け取ることになります。
基本手当は一時金とは異なり、最低90日以上受け取ることができます。

※退職理由や雇用保険加入期間により90日から330日まで
(例)例えば64歳で定年退職した場合(雇用保険加入期間:20年以上)
定年退職(自己都合扱い)の場合、150日の支給になります。会社都合退職なら240日の支給です。
65歳で手続きをした場合は、高年齢求職者給付金となり一時金として50日。
65歳前に退職できるようであれば、64歳で退職した方がよいでしょう。ただし退職金の額なども考慮する必要があります。
65歳までに退職する場合はいつまでに退職すればよいのか
誕生日の前々日です。
年齢の数え方ですが、法律では「誕生日の前日」に歳を取ります。
例えば65歳の誕生日が3月15日の場合、その前日の3月14日で65歳になるわけです。
それを考慮しなければならないため、さらにその前日である「3月13日まで」に退職する必要があります。
手続きは65歳を過ぎてからでも構いません。あくまで退職日が重要です。
高年齢求職者給付金を受け取ると年金が支給停止されるのか
年金の支給停止にはなりません。年金も高年齢求職者給付金も両方受け取ることができます。理由は一時金だからです。
毎月支給される基本手当(雇用保険の失業給付)の場合は併給不可です。同時には受け取ることができません。
65歳未満に退職した場合は一時金ではなく基本手当の受給手続きとなるため、両方を同時に受けることができません。どちらかを選択することになります。通常は基本手当(雇用保険の失業給付)の方が支給金額が大きいため年金が支給停止されることになります。
高年齢求職者給付金は何度も受け取ることは可能か
必要な要件さえ満たすことができたら、何度でも受け取ることができます。
必要な要件とは通算して6ヶ月以上の雇用保険加入期間です。
たとえば、半年間働いて一時金を受け取る。また半年働いて一時金を受け取る。ということも可能です。
まとめ
65歳を過ぎてから退職した場合に受け取れるのが高年齢求職者給付金です。この場合は1日の給与の5割から8割を、50日分もしくは30日分を一時金として受けることができます。
65歳未満(正確には65歳になる誕生日の前々日まで)で退職した場合は基本手当となり、90日~330日分を28日ごと(認定日後)に受け取ることができます。
年金との併給についてですが、一時金の場合は併給可能ですが、基本手当の場合は併給不可なので注意が必要です。
65歳以降に再就職した場合でも、再度雇用保険に入ることができるようになりました。
2017年1月1日より(平成29年1月1日より)
以前は65歳以降は雇用保険に入ることができなかったのです。そして2019年度までは、雇用保険料も免除になります。併せて「育児休業給付金」と「介護休業給付金」も対象になります。
■60歳から65歳までの給付金についても併せてご覧ください。
・60歳以降にもらえる「高年齢雇用継続基本給付金」(図で解説)
・高年齢再就職給付金 をわかりやすく図で解説