失業保険を受け取る際に重要なのが「離職理由コード」です。離職理由によって、受け取れる金額や日数、さらには給付制限期間が変わります。
令和7年4月から、自己都合退職の給付制限期間が原則2か月から原則1か月に短縮されました。さらに、一定の教育訓練等を受講している(または受講していた)場合、給付制限が解除される扱いになる制度もあります。
この記事では、離職理由コードの見方から制度変更点まで、図解でわかりやすく解説します。
■目次
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離職理由コードの確認方法
離職理由コードは、以下の2つの書類で確認できます。
①離職票-2での確認方法
会社を退職後、約1週間で郵送される「離職票-2」に記載されています。

○がついている箇所が離職理由コードです。
②雇用保険受給資格者証での確認方法
ハローワークで手続き後、最初の認定日に渡される「雇用保険受給資格者証」でも確認できます。

※離職票のコード(アルファベット+数字)と雇用保険受給資格者証のコード(数字2桁)は異なります。対応関係は、A=1、B=2、C=3のようになっています。

離職理由コードによる4つの区分
離職理由コードは、退職理由によって大きく4つに分類されます。
- 特定受給資格者(倒産や解雇等による退職)
- 特定理由離職者1(正当な理由のある自己都合退職)
- 特定理由離職者2(正当な理由のある自己都合退職)
- 一般受給資格者(自己都合退職等)
この区分によって、給付制限期間と給付日数の優遇措置が決まります。
| 対象者 | 給付制限 | 給付日数優遇 |
|---|---|---|
| 特定受給資格者 | なし | あり |
| 特定理由離職者1 | なし | あり |
| 特定理由離職者2 | なし | なし |
| 一般受給資格者 | 原則1か月(教育訓練等で解除される場合あり) | なし |
【令和7年4月改正】給付制限期間が短縮
令和7年4月1日以降に離職した自己都合退職者は、給付制限期間が原則2か月から原則1か月に短縮されました。
ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合は、給付制限は3か月となります。
さらに、一定の教育訓練等を受講している(または受講していた)場合、給付制限が解除される扱いになります。
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特定受給資格者(倒産や解雇等による退職)
- 加入要件:6か月以上(雇用保険加入期間)
- 給付制限:なし
- 給付日数優遇:あり
特定受給資格者は、主に会社都合で退職する場合です。自らの意思ではなく、倒産や契約更新不可、給与の大幅減、残業過多などの理由による退職が含まれます。
| 離職コード | 退職理由 |
|---|---|
| 1A (11) | 解雇(3年以上更新された非正規社員で雇止め通知なしを含む) |
| 1B (12) | 天災等の理由により事業の継続が不可能になったことによる解雇 |
| 2A (21) | 雇い止めによる解雇(期間の定めのある雇用契約(1年未満)を3年以上繰り返し、事業主側の事情によって契約満了、又は雇い止めとなったために離職したとき) |
| 2B (22) | 倒産・退職勧奨・法令違反等の正当な理由のある自己都合退職 |
| 3A (31) | 事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職 |
| 3B (32) | 事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職 |
特定理由離職者(正当な理由のある自己都合退職)
契約更新満了や、病気・ケガ、家族の介護など、正当な理由がある退職の場合に該当します。
特定理由離職者1
- 加入要件:6か月以上
- 給付制限:なし
- 給付日数優遇:あり
| 離職コード | 退職理由 |
|---|---|
| 2C (23) | 期間の定めのある労働契約の期間が終了し、かつ、次の労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が更新を希望したにもかかわらず、更新できなかった場合) |
特定理由離職者2
- 加入要件:6か月以上
- 給付制限:なし
- 給付日数優遇:なし
| 離職コード | 退職理由 |
|---|---|
| 3C (33) | 正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12か月以上) |
| 3D (34) | 正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12か月未満) |
契約期間満了等
- 加入要件:12か月以上
- 給付制限:なし
- 給付日数優遇:なし
| 離職コード | 退職理由 |
|---|---|
| 2D (24) | 契約期間満了により退職(更新について、更新なしと明記があった場合等で、労働者、事業主同意のもとに計画期間満了となり退職) |
| 2E (25) | 定年退職、移籍出向 |
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一般受給資格者(自己都合退職等)
正当な理由のない自己都合退職です。
- 加入要件:12か月以上
- 給付制限:原則1か月(一定条件により3か月の場合あり)
- 給付日数優遇:なし
| 離職コード | 退職理由 |
|---|---|
| 4D (40) | 正当な理由のない自己都合退職 |
| 4D (45) | 正当な理由のない自己都合退職(受給資格等決定前に被保険者期間が2か月以上) |
| 5E (50) | 背任行為、懲戒事由に基づく被保険者の重大な責による退職 |
| 5E (55) | 背任行為、懲戒事由に基づく被保険者の重大な責による退職(受給資格等決定前に被保険者期間が2か月以上) |
【重要】令和7年4月からの給付制限期間の変更
改正前(2020年10月〜2025年3月):
- 原則:2か月
- 退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合:3か月
改正後(令和7年4月〜):
- 原則:1か月
- 退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合:3か月
- 一定の教育訓練等の受講により、給付制限が解除される扱い
教育訓練等で給付制限が解除される制度
令和7年4月から、自己都合退職でも一定の教育訓練等を受講している(または受講していた)場合、給付制限が解除される扱いになる制度があります。
対象となる教育訓練等(例)
- 教育訓練給付金の対象となる教育訓練(一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練など)
- 公共職業訓練等
- 短期訓練受講費の対象となる教育訓練
- 上記に準ずるもの(職業安定局長が定める訓練)
条件
- 離職日前1年以内または離職後に受講開始したもの
- 令和7年4月1日以降に受講開始したもの
※給付制限の解除には、受講開始日の証明など所定の手続きが必要です。詳しくはハローワークで確認してください。
給付制限解除の流れ(目安)
- 教育訓練等を選ぶ
対象となる講座・訓練の可否は、ハローワーク等で確認します。
- 受講を開始する
離職日前1年以内または離職後に受講開始(令和7年4月1日以降の受講開始が条件)
- ハローワークで手続き
失業保険の申請時に、教育訓練等の受講について申告(必要書類の提出)
- 待機期間後、受給開始
給付制限が解除される扱いの場合、原則として給付制限期間の適用がありません。
教育訓練給付金との併用も可能
給付制限の解除(扱い)とは別に、教育訓練給付金(受講費用の一部補助)を受け取れる可能性もあります。対象や要件は講座・受講状況によって異なるため、ハローワークで確認してください。
→ 教育訓練給付の対象講座は厚生労働省のサイトで検索できます
国民健康保険と国民年金の軽減について
会社を退職すると、社会保険から抜けるため自ら国民年金や国民健康保険へ加入しなければなりません。
特に国民健康保険は前年度の所得から算出するため、高額な保険料を請求されることがあります。離職理由によっては軽減措置が受けられます。
国民健康保険の軽減措置の対象となる離職理由コード
| 国民健康保険軽減される可能性あり | |
|---|---|
| 特定受給資格者 | 1A, 1B, 2A, 2B, 3A, 3B |
| 特定理由離職者 | 2C, 3C, 3D |
国民健康保険料の軽減制度は、お住まいの市区町村役場によって異なります。詳しくは役場の窓口で相談しましょう。
・記載例:新宿区の場合
国民年金の免除制度について
国民年金は、自己都合退職の場合でも全額免除になる可能性があります。
2025年度の国民年金保険料:月額17,510円(2025年4月〜2026年3月)
収入がない時には大きな負担となるため、免除制度の活用を検討しましょう。
まとめ
離職理由コードを確認することで、自身の退職理由と受けられる失業保険の給付内容がわかります。
令和7年4月の制度変更により、自己都合退職でも原則1か月の給付制限で失業保険を受け取れるようになりました。さらに、一定の教育訓練等を受講している(または受講していた)場合、給付制限が解除される扱いになる制度もあります。
離職票は会社が作成するため、離職理由に納得できない場合は、ハローワークで手続き時に相談しましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 離職理由コードはどこで確認できますか?
A. 会社から送られる「離職票-2」、またはハローワークで受け取る「雇用保険受給資格者証」で確認できます。離職票では○がついている箇所、受給資格者証では離職理由欄に2桁の数字で記載されています。
Q2. 令和7年4月から給付制限期間はどう変わりましたか?
A. 令和7年4月1日以降に離職した自己都合退職者は、給付制限期間が原則2か月から原則1か月に短縮されました。ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合は、給付制限が3か月となります。
Q3. 教育訓練等を受けると給付制限が解除されるのは本当ですか?
A. はい、制度としてあります。令和7年4月から、一定の教育訓練等(教育訓練給付の対象講座や公共職業訓練等)を離職日前1年以内または離職後に受講開始した場合、給付制限が解除される扱いになります。解除のための所定の手続き・証明が必要になるため、詳細はハローワークで確認してください。
Q4. 特定受給資格者と一般受給資格者の違いは何ですか?
A. 特定受給資格者は倒産や解雇など会社都合の退職者で、給付制限なし・給付日数優遇ありです。一般受給資格者は正当な理由のない自己都合退職者で、原則1か月の給付制限があり、給付日数の優遇はありません。
Q5. 離職理由コードが間違っている場合はどうすればいいですか?
A. 離職理由に納得できない場合は、ハローワークで失業保険の手続き時に相談しましょう。離職票の本人判断欄に「異議有り」とし、正しいと思う離職理由を説明することで、ハローワークが調査・判断してくれます。
Q6. 自己都合退職でも国民健康保険料は軽減されますか?
A. 特定理由離職者(離職コード2C、3C、3D)に該当する正当な理由のある自己都合退職の場合は、国民健康保険料の軽減措置を受けられる可能性があります。お住まいの市区町村役場で確認してください。